知らない人が損をする「指定石材店制度」という仕組み⑦指定石材店制度に関するトラブルの実例 /神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」おさらい
「指定石材店制度」が存在する理由
どうして多くの民営霊園では、
指定石材店制度が採用されているのでしょうか。
それには霊園の開発や造成には
億単位の多額の費用が必要なことから、
経営主体である宗教法人(通常は寺院)や
財団法人だけでは資金がまかなえず、
複数の業者から援助を受けて開発がおこなわれることや、
霊園開発後の管理や運営面においても、
石材店のサポートが必要なことなどの理由があります。
そこで、先ずは指定石材店制度があることによる
消費者側のメリットを考えてみましょう。
一つは、墓石の建立や施工工事等において
担当の石材店との間に何か問題が生じたときに、
当事者である担当石材店とともに、
その業者を指定した霊園側にも責任を問えるということ。
※当事者のみによる話し合いではなく、
霊園の経営主体も巻き込んだ協議ができる。
次には、お墓建立後に発生するご納骨やご戒名の追加刻字等の
アフターケアの部分を円滑に進めるため、
出入りの石材店を1社~数社に限定し、
霊園の指定石材店としているからです。
実際に、お墓を建立してから20年、30年後に、
ご納骨やリフォーム工事等を依頼する際に、
そのお墓を施工した石材店と連絡が取れない状況や、
アフターケアに対応してくれない状況など、
墓地の管理者側に迷惑が掛かったという事例も、
実際に時々起こっているようです。
そのため、霊園管理者は、確実な施工で信頼できる石材店を、
指定石材店として出入りさせているのです。
しかし、これまでのコラムでも書かせていただいたように、
消費者側から石材店を選ぶ権利を奪っていることや、
この制度の存在そのものが周知徹底されていないことによる
マイナス面の方が大きいと言えるのではないでしょうか?
以下に指定石材店制度に関する
トラブルを回避するための方法を挙げてみました。
①霊園に参画している指定業者を事前にチェックしておく
霊園見学へ行く前に、電話での問い合わせや
インターネットで霊園の指定業者を調べておきましょう。
意中の石材店があれば、先ずは霊園見学より先に、
その石材店に出向き、思った通りの石材店であれば
見学の際にその業者に霊園へ同行をしてもらうか、
霊園内で待ち合わせるようにしましょう。
②霊園見学の時に、名前・住所・電話番号などの個人情報を教えない
霊園見学へ行くと、対応した業者の営業担当者が、
必ず名前や住所等を専用の用紙に記入するよう求めてきます。
その際、安易に名前・住所等の個人情報を教えてしまうと、
その対応した営業マンの業者が担当石材店に決定されてしまいます。
※気に入った墓所を仮押さえするのにも名前・住所・電話番号等を
記入する必要がありますので、ご注意ください。
③「おかしい」と感じたら、とりあえずは霊園管理者側に相談する
霊園に参画している指定石材店各社の墓石の品質や工事内容、
デザイン提案力、営業マンの力量等にはバラつきがあります。
担当石材店と建墓を進めていく過程で、少しでもおかしいと感じたら、
とりあえずは霊園側に相談して解決を図りましょう。
※ただし、霊園側に相談をしても
必ずしも石材店を変更してもらえるとは限りません。
以上で、2011年9月11日に行なわれた、
神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー
「お墓選びで知っておきたい5つのポイン」の
①知らない人が損をする「指定石材店制度」という仕組み
の“おさらい”を終了いたします。
次回のコラム(少し先になるかもわかりません)からは、
②あまり知られていないお墓の流通経路
についてお話させていただきます。
~おわり~
※参考文献:「霊園ガイド・2011夏号」(株式会社六月書房発行)
「オリジナルデザインのお墓」について詳しくはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/design/cat_cat152/
神戸の「お墓のプロ」、(株)第一石材・能島孝志の神戸新聞取材記事はこちら!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/
神戸・兵庫・阪神間の“いいお墓づくり”は「和型墓石」から「デザイン墓石」まで第一石材へ
http://www.daiichisekizai.com/