お墓の選び方⑥お墓を素材で選ぶ
■お墓は家の絆、家族の絆、そして、脈々と繋がる生命の証明
~前のコラムからの続きです~
お墓といえばエジプトのピラミッドや秦の始皇帝の壮大な地下墳墓を思われる方も多いでしょう。
しかし、これらは再生の場であり、永遠の生命を生きるためのものであります。
多くのお墓は死者を手厚く葬るということであります。
一部の権力者だけでなく、一般庶民が故人を葬るためにお墓を建てるようになったのは、
さして古い時代ではありません。江戸時代中期の頃からといわれています。
しかも、すべての人がお墓を建てたわけではなく、
お墓が一族のルーツ、家族の絆となるまでには至っていません。
明治時代になって、火葬がすすむことによって、
複数の焼骨を一つのお墓に納めることができるようになって、代々墓が誕生し、
お墓はまさに一族のルーツ、一族の絆としての意味を強めることになりました。
代々墓が出現するまでは、遺体を棺桶に入れて埋葬することで、物理的にもお墓は個人墓でした。
お墓が証明するように、そこには一族としての強い絆があり、
家があり、本家に対して分家、といったつながりの中で、
責任、義務、扶助意識が生まれてきました。
このことは封建的、保守的ともいわれ、不条理や閉鎖性を批判されてもいますが、
社会秩序が保たれていたことも事実でしょう。
ここで封建的であった時代と今日との優劣を言っているのではありませんが、
戦後の新民法下で発展してきた今日の日本には、
大切なものを失ってしまった感が強いのではないでしょうか。
新民法下での自由・平等はすべての人類が求める究極のものであることは言うまでもありませんが、
少し間違えばとてつもない社会の混乱を招くことになります。
真の自由・平等とは、責任と義務がともなったものでなければなりません。
しかし、今日の日本の世相を見る時、大きな間違いをおかしつつあるように思えて仕方ありません。
~つづく~
※参考文献:「霊園ガイド・2011上半期号」(株式会社六月書房発行)
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