知らない人が損をする?「指定石材店制度」という仕組み②消費者に石材店の選択権はない!

能島孝志

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テーマ:墓地・霊園

知らない人が損をする?「指定石材店制度」

~前のコラムからの続きです~

■「ご見学ですか?」に注意

過去に霊園の見学をされたことのある方ならご経験がおありかと思いますが、
消費者の方々が霊園を訪れると、前述の“詰め所”から霊園の資料を持った営業マンが現れ、
「ご見学ですか?」と声をかけてきます。

そして「チラシはお持ちですか?」などと聞かれます。

この時に消費者側から石材店を指定したり、特定の業者のチラシを持って行かなかった場合、
声をかけてきた担当者の石材店が、自動的に見学者のお墓を担当することになります。(これを仮に「A石材店」とします)

この決定には消費者側の意思は関係ありません。

極めて一方的に決定されてしまうのです。

一旦、担当の石材店が決まると、消費者がその霊園にお墓を建てようとするとき、
お墓の施工を請け負うのは必ずA石材店となります。

工事の価格や墓石材の値段、お墓のデザインなどが気に入らず、
担当石材店を変更したいと思っても、指定石材店制度が採用されている霊園では変更は認められません。

A石材店と他の石材店を比較するために、相見積り(※)をとることも認められないのです。

消費者がどうしてもA石材店ではお墓を建てたくないと考えた場合、
もうその霊園に墓所を購入することは実質的に不可能になります。

A石材店と縁を切るためには、霊園そのものを変更しなければなりません。

これはとても不自然なことではないでしょうか。

※相見積り…複数の取引先などに同条件で見積りを提出させ比較すること。あいみつ。

                ~つづく~

※参考文献:「霊園ガイド・2011夏号」(株式会社六月書房発行)


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能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

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