「大島石墓石」の価格・ランク・品質を徹底解明!(5)日本と中国でつくる大島石墓石の素材の違い
どのような業種にも、その業種特有の、昔から商売をしていくうえでの決まり事、
商習慣というものがありますが、石材業界、特に庵治石産地にはそれが色濃く残っているように思われます。
「石屋」というのは一種独特の職人気質な業種であり、
その技術は書物等での確立したマニュアルがあるものではなく、
親方・兄弟子の仕事を見て、直に教わり徐々に会得してゆくものです。
自然と親子・兄弟・縁戚関係が多くなり、その師弟関係の繋がりは深い。
そのうえに、昔は人力中心であるため、重量のある石材は遠方への運搬が困難であったことから、
「石屋」は石が産出される地域に集中して存在していました。
昔は、遠方への石材運搬は、主に石船と呼ばれる
石材運搬専門の船を使用していたため、「石屋」と船は密接な関係にありました。
日本という島国の中でも、穏やかで船の行き来が比較的容易な瀬戸内海は交易が盛んであり、
その瀬戸内海に面した庵治・牟礼地区においても古くから船は生活に欠かせないものでありました。
石材を運ぶことに必要な港のある庵治・牟礼地区は
「石屋」にとって非常に都合がよかったといえます。
庵治石の産地は半島にあり、採石丁場から港までが近く、
特に昔の丁場は裾野が海につながっていることも多かった。
そのため「石屋」は他の地域に広がらず、
庵治・牟礼の中でも海岸沿い、港周辺に集中したようであります。
つまり、庵治石産地の石材関連業者は狭い地域に密集しているうえに、
技術を受け継ぐ為、先祖代々受け継がれてきた石屋・親兄弟など
師弟関係の繋がりが深い石屋が多いと言えます。
それが意味するものは、庵治石産地の「石屋」は地域に密着した
縦横のつながりが非常に深く、独特の習慣が定着しやすいということであります。
これは、今現在でもなお、色濃く残っており、
いわゆる「よそ者」が新規参入することは非常に難しい代わりに、
石屋としての技術の継承はもちろん、“天下の銘石「庵治石」”というブランドを確立し、
受け継ぎ、守ってゆくうえでは利点となっています。
【天下の銘石「庵治石」というブランド】
庵治石産地にある石材業者であれば、どこでもが庵治石をメインに取り扱っていると
考えている人が多いが、実際にはそうとはいえません。
誰でもが、直接、採石業者から庵治石を購入することはできません。
この理由の一端が前述にあります。
庵治石を取り扱うには庵治産地において実績と信用、
つながりが重要視され厳選されるのであります。
したがって、庵治石のルートは昔からの流れに沿って定着したものが多い。
これは、ブランドをまもってゆくうえでは利点といえます。
どこで採れた庵治石がどこで加工され、どのようなルートをたどり、どこに販売され、
お客様のもとに届くのかを容易に知ることができるため、乱売を防げることもその一つであります。
そして、庵治石が近年これほどまでに高級ブランド化した背景には、
庵治石が優れた素材であることや貴重であることに加え、数ある石材業者の中から厳選された
「庵治石を取り扱える石屋」としての自負があるように思われます。
この自負が製品を作るうえでも、販売をするうえでも、重要な要素となり、
「良い庵治石」を「良いお客様」に提供し続けなければならないという
責任感・使命感を生み、実行してゆく力となっているように思われます。
※参考文献:『天下の銘石 庵治石』(谷本竹正氏著)
「庵治石」について詳しくはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/choose_stones/2010/01/entry_692/
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