戒名と修行との関係

能島孝志

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テーマ:供養

戒名と修行との関係

~前のコラムからの続きです~

戒名は法名(浄土真宗)、法号(日蓮宗)ともいわれ、
宗派によって呼び方が異なります。

戒名の“戒”とは、戒律のことを表し、
仏教の中で悟りを得るための修行としての実践徳目
「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の1つである
「持戒(じかい)」のことで、戒律を守り反省することです。

では具体的に戒律を守るとは、
どういうことかといいますと、一般の男女の場合、

1. 殺生をしないこと
2. 他人のものを盗まないこと
3. 自分の妻または、夫以外の者と淫らな行為をしてはならない
4. ウソをついてはいけない
5. 酒を飲んではならない

という五戒があります。
これが修行が高まるにつれて、
十戒になり二百五十戒になり五百戒となっていきます。

こういう厳しい修行ののちに成道して
授けられる名を戒名といいます。

これが本来の戒名ですが、しだいに変わってきて、
その人の信仰の深さ、菩提寺への尽力の度合、
社会への貢献度などによって授けられるようになってきます。

したがって戒名は修行を積んで
生前に授けられるのが本来の姿ですが、
現在では一般的に死後に授かるようになっています。

つまり、死ぬことで煩悩が絶たれ、
たくさんの戒律を受けて成就したと見なされるからでしょう。


※参考文献:「わかりやすいお墓と仏事」
(五来 重著・株式会社 石文社発行)



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