妊娠中のカフェイン摂取も子供に好影響?
カフェインに降圧を超えた血管保護効果?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘カフェインに降圧を超えた血管保護効果?’という報告です。
スイス・University of Lausanneの研究者が実施したカフェインおよびその代謝産物の尿中排泄量と抗動脈効果の関連について検討。その結果、カフェイン高摂取者で動脈硬化の指標とされる脈波伝播速度(PWV)の有意な低下が認められた。同氏らは、この作用は血圧低下を超える血管保護効果であると報告した。
対象は、2009年11月25日~13年4月4日に同国の3都市における一般住民からランダムに抽出された家族。脈圧は、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)に基づく収縮期血圧と拡張期血圧の差とし、PWVはトノメトリ法を用いて測定した。24時間蓄尿で測定した尿中カフェイン排泄量およびカフェインの代謝産物であるパラキサンチン、テオフィリン、テオブロミンの尿中排泄量を四分位に分類し、脈圧およびPWVとの関連を検討した。
解析対象は863例で、平均年齢は47.1歳、24時間脈圧は41.9mmHg、PWVは8.0m /秒であった。尿中のカフェイン排泄量の四分位別に脈圧を見たところ、最も少ない第1四分位群の43.5mmHgに対し、最も多い第4四分位群では40.5mmHgと有意に低かった。また第1四分位を1とした場合、第2四分位の脈圧は0.52、第3四分位は0.38、第4四分位は0.31と、尿中のカフェイン排泄量が多いほど脈圧は直線的に低下した。
さらに、尿中のカフェイン排泄量の第1四分位群に比べて、第4四分位群ではPWVが有意に低かった(8.1m/秒 vs. 7.8m/秒)。カフェイン代謝産物のうちパラキサンチン、テオフィリンについては同様に関連が見られた。
カフェインおよび一部のカフェイン代謝産物の尿中排泄量が脈圧やPWVと有意に関連した結果を受けて、同氏らは「カフェインには、従来報告されている血圧低下作用を上回る血管保護効果があることが示唆された」としている。
今までもコーヒーの効用が色々と言われていましたが、血管保護効果まであるというのは驚きでした。文字数の問題もあり割愛しましたが、量としてはコーヒーで1日4-5杯程度までというのが妥当なところの様です。