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コラム
人に共感する力に遺伝子が関与?
2018年3月29日
人に共感する力に遺伝子が関与?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘人に共感する力に遺伝子が関与?’という報告です。
人の気持ちに共感する力には遺伝的要因が影響している可能性を示した研究結果が報告された。研究では、こうした共感力に関与する遺伝的要因の一部は自閉症や統合失調症、拒食症のリスクに関連することも明らかになったという。
この研究は英ケンブリッジ大学の研究者らが実施したもの。対象は、遺伝子検査サービスを手掛ける企業である23andMe社の利用客のうち、研究に協力することを承諾した4万6,861人。対象者は遺伝子解析を行うための唾液試料を提供し、60項目の質問で構成された共感力を点数化する検査を受けた。
同氏らがゲノム解析(GWAS)を用いて解析した結果、共感力にみられる個人差の約10%は遺伝的要因で説明できることが示された。ただ、今回の研究ではヒトゲノムの全てのDNAを解析したわけではないため、実際の遺伝的要因による影響はさらに大きい可能性もあるという。
また、共感力の低さに関与する遺伝的要因の一部は自閉症リスクの高さにも関連していることが分かった。これについて、同氏らは「自閉症の人は他人の感情を読み取るのが苦手であることを考えると、納得のいく結果だ」としている。一方、共感力の高さに関連する遺伝的要因の一部は統合失調症や拒食症のリスクの高さに関連していた。同氏らによると、統合失調症や拒食症の患者は他人の感情や行動が「伝染」しやすい状態にあることが複数の研究で示されているという。
同氏は「精神疾患の種類によって患者の共感力に差が見られることは以前から分かっていた。こうした差を生む遺伝的背景について解明を進めることで、これらの疾患についても遺伝的な理解を深めることができる可能性がある」と話す。その一方で、同氏は、共感力の個人差のうち遺伝的要因によって説明できる割合は10%のみであり、残る90%はそれ以外に要因があることに言及。「幼少期の育てられ方や人生経験など社会的な要因のほか、ホルモンなど遺伝以外の生物学的な要因が関与している可能性もある」との見方を示している。
この様な力にも遺伝子が関与しているのは驚きではありますが、最後にも述べられている様に高々10%ですから...大部分は環境要因等が影響しているという事になりますのでそれ程、悲観する事はないのかも?知れませんね。
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