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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

コーヒーは予想以上に代謝に好影響?

2018年4月5日

テーマ:コーヒーの効用

コラムカテゴリ:医療・病院

コーヒーは予想以上に代謝に好影響?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘コーヒーは予想以上に代謝に好影響?’という報告です。

 コーヒーは健康にさまざまなベネフィットをもたらすことが知られているが、毎日摂取するとこれまで考えられていた以上に代謝に影響を及ぼす可能性のあることが小規模な研究で示された。

 今回の研究は、コーヒーを飲む習慣があるフィンランドの成人男女47人を対象に行ったもの。参加者にはまず、コーヒーを摂取しないで1カ月間過ごしてもらった後に、1カ月間は1日4杯コーヒーを摂取してもらい、その次の1カ月間は1日に8杯摂取してもらい、血液検査を毎月行って733種の代謝物質の血中濃度を観察した。

 その結果、コーヒーを1日4~8杯摂取すると115種の代謝物質の血中濃度が有意に変化することが分かった。同研究者らによるとこうした変化のほとんどは予想通りのものだったが、一部には想定外の変化がもたらされていたという。例えば、コーヒーの摂取は、脳内マリファナに類似した物質として知られる内因性カンナビノイドシステムに関連する代謝産物の血中濃度を低下させることが分かった。また、コーヒーの摂取は性ホルモンなどのステロイドホルモンや脂肪酸代謝に関連する代謝産物の血中濃度にも変化をもたらしていた。

 内因性カンナビノイドシステムは、ヒトの食欲やエネルギーの産出と消費、血圧、睡眠などの基本的な身体機能のコントロールに重要な役割を担っている。これまでの研究でコーヒーの摂取は体重管理に良い影響を及ぼすことが報告されているが、同氏は「コーヒーの摂取は内因性カンナビノイドシステムの活性を抑えるように働くため、いわゆる脳内マリファナによる食欲増進とは反対の働きを示す。コーヒー摂取による肥満予防効果には、このシステムの役割が大きい可能性もある」と指摘している。

 同氏らは「こうした代謝産物の血中濃度の変化が何を意味するのかは分かっていない」とコメントしているが、「今後、コーヒー摂取と内因性カンナビノイドが関連するメカニズムが解明されれば、コーヒーを摂取する人で一部の疾患リスクが低い理由を説明できるようになるだろう」と展望している。

 今回の報告でコーヒーの有用性が再認識されましたが、実際問題として1日コーヒー8杯というのはあまり現実的ではありませんし、カフェインの量としては摂りすぎであるのは否めません。でも、コーヒーの適量の飲用は明らかに色々な意味での好影響があるのだけは確かな様です!

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