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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

ダイエットしても直ぐにリバウンドするのは?

2018年2月24日

テーマ:ダイエットの秘訣

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: ダイエット 運動ダイエット 食事

ダイエットしても直ぐにリバウンドするのは?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ダイエットしても直ぐにリバウンドするのは?’という報告です。

 12週間の減量プログラムに参加した成人のその後の体重の変化を観察したところ、減量に成功しても、減量介入を止めるとすぐに体重はリバウンドし、体重維持期はほとんどみられないことが新しい研究で報告された。

 この研究は、12週間のインターネット上での減量プログラムを終了した過体重または肥満の成人70人を対象としたもの。減量プログラム中とその後9カ月間の追跡期間中における体重の変化を観察した。その結果、減量プログラム中には参加者の体重は週平均で0.46kg減少した。しかし、介入終了から約11週間後には、参加者の体重は週平均で0.07kg増加し、約32週後にはやや体重の増加幅は減少したものの週平均で0.06kg増加していることが分かった。

 論文の筆頭著者である米フロリダ大学の研究者は「なぜ減量介入後すぐにリバウンドするのかは、多くの理由があり説明は難しい。減量ではなく減らした体重の維持に焦点を当てた、体重維持期の新しい対策が必要だろう」と述べている。

 専門家の一人、米ニューヨーク大学の栄養士は「きちんとした食生活プランに従わないと、生理的または代謝的な変化によって体重が増えやすくなることもある」と指摘する。「身体は体重を維持しようとするため、減量して空腹になりすぎると身体が“食物が足りない”と判断し、もっと食べようと脳に働きかける」と説明する。同氏によると、これには健康的な習慣を身につけて、ゆっくりと減量することが唯一の対抗策になるという。

 また、先の研究者は、この研究結果は減量と体重の維持が不可能だと結論づけるものではないと強調し、減量した体重を維持させる秘訣について説明している。まずは、減量中に行った行動変容をその後も続けること。体重計に毎日乗って、体重の増減を確認することはリバウンドの早期発見につながる。また、減らした体重を維持するには運動も不可欠となる。同氏によると、実際には米国のガイドラインよりも多く、週に200~300分の適度な運動を行う必要があるという。

 ダイエットしても直ぐにリバウンドするというのはよく聞く話です。先ず、大前提としてダイエットした際に何が減っているのかという事が大事です。きちんと運動をせずにダイエットした際には基本的に脂肪分も減少しますが、大抵は筋肉も減少します。筋肉は元々大きなカロリー消費器官ですからそこが減少すると当然、体の燃焼効率は低下します。さらに極端なカロリー制限などでダイエットした際にそのカロリー制限は長続きしませんからどこかで破綻を生じます。そうした際に体は極端なカロリー制限下にあったため、ある意味の飢餓状態に晒されていたことになるのです。その飢餓状態から解放されれば体のメカニズムとして急激にその状況から脱却しようとしますからダイエットに要した時間よりも早くリバウンドするのは自明ということになりますし、増えるのは脂肪だけですから同じ体重でも筋肉分が減少した状態となるためさらに体重が増えやすい状況となるわけです。

18.2.23 冬鳥

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