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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

糖尿病食、一番良いのは?

2017年2月11日

テーマ:ダイエットの秘訣

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「糖尿病食

糖尿病食、一番良いのは?

、一番良いのは?」という報告です。
糖尿病の食事療法、結局何がいい?
 少し前になりますが、著明な医学論文雑誌Lancetに「2型糖尿病の食事療法」の総説がありました。この総説の最重要点は以下の4点です。
*糖尿病では体重過多の際にはトータルのカロリーを抑えた上で、
1. 控えるべきは加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハム)、赤い肉、砂糖入り飲
 料
2. 摂取すべきは、全粒穀物(玄米、全粒粉の小麦)、魚類、果物、野菜、ナッツ、豆、オリーブ油
3. 適量のアルコール(男性で22g/日以下、女性で24g/日以下、ビール換算
 で400~500mL)は糖尿病の予防効果あり
4. 食塩制限6g/日以下
 本論文の著者はハーバード大学の栄養学科、ジョスリン糖尿病センターのドクターたちです。現在、日本では糖尿病食に「低炭水化物食(ローカーボ)」を提唱する人たちが現れ、片や「栄養素をバランスよく取ってトータルのカロリーを下げる主義」の日本糖尿病学会との間で激しい論争が続いています。この総説では下記の6つのダイエット法を比較しています。
①地中海食:地中海周辺の食事 ②中等度低炭水化物食(いわゆるローカ
ーボ食) ③DASH diet(dietary approaches to stop hypertension, 地中海食
に似る) ④AHEI Dietary guideline (Alternate Healthy Eating Index、地中海
食に似る) ⑤Prudent dietary pattern (地中海食に似る) ⑤Vegetarian、
Vegan diet(菜食主義:これは推奨しない)
 この総説の結論は「色々なダイエット法があるけど、どれもそれなりに有効なので個人の好みで選べばよい」というものです。しかし最後のVegan diet(菜食主義)だけは推奨しません。注意すべきは低炭水化物ダイエット(ローカーボ)を選択する場合、動物由来の脂肪、蛋白質を取ると全死亡率、心血管疾患死亡率ともに上昇し高リスクになります。ローカーボをやる場合は、必ず脂肪、蛋白質は動物由来でなく魚や植物由来中心にすることが重要です。また炭水化物制限は夕食のみとするべきで、朝、昼も制限すると大変危険です。しかし、さまざまなダイエット法のうち、血糖コントロール、インスリン感受性の改善に最も有効だったのは地中海食だったとのことです。
*西伊豆健育会病院病院長 仲田和正先生の文章を引用一部改編
 
 糖尿病食をはじめとしてダイエット食に関しても色々な意見がありますが、ここで述べられている食事療法は思ったよりもファジーでこの程度ならばかなり実行可能かも?知れませんね。特に糖尿病患者さんは炭水化物制限に関しては夕食のみとすべきというのは大事な点かも知れませんね。

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