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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

寝不足で太る理由が判明?2

2017年2月12日

テーマ:メタボの原因?

コラムカテゴリ:医療・病院

寝不足で太る理由が判明?2

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「寝不足で太る理由が判明?2」という報告です。
睡眠時間を大幅に制限すると、食欲抑制にはたらくホルモンが減少し、空腹感が増すなど食欲に影響を及ぼし、その結果、肥満リスクが増加することを、早稲田大学スポーツ科学未来研究所の研究者らが、花王株式会社ヘルスケア食品研究所との共同研究で明らかにした。睡眠時間を制限しても1日のエネルギー消費量には変化はみられなかったことから、カロリー摂取量が増えることで体重増加リスクが高まるという。
これまでの疫学研究で、慢性的な睡眠不足が肥満をもたらすことがわかっていたが、睡眠時間がヒトのエネルギー代謝にどういった影響を及ぼすのか、その詳細な機序は明らかにされていなかった。そこで、研究グループは健康な男性を対象に、睡眠時間を通常の7時間と比較して3.5時間に制限した場合のエネルギー代謝や食欲の変化を観察した。
対象は、平均年齢23歳の健康な男性9人。参加者には決められた食事をとってもらったうえ、(1)7時間睡眠を3日間続けてもらい、3日目の7時間睡眠と翌日の睡眠回復を含む48時間における代謝への影響をメタボリックチャンバーで測定。次に、2週間の休止期間ののち、(2)3.5時間睡眠を3日間続けてもらい、3日目の3.5時間睡眠と翌日の睡眠回復を含む48時間におけるエネルギー代謝への影響を同様に測定した。二重盲検デザイン下で、(1)と(2)をランダムな順番で行った。なお、メタボリックチャンバーとは、ヒトのエネルギー代謝を日常生活に近い環境で、長時間、正確に測定できる代謝測定装置を指す。
その結果、睡眠時間を7時間から半分に制限すると、夜間のエネルギー消費量は増加した一方で、1日のエネルギー消費量には変化はみられないことがわかった。また、睡眠時間を制限すると、食欲抑制作用をもつペプチドホルモンであるペプチドYY(PYY)の分泌が有意に低下したほか、1時間ごとに質問票で評価した空腹感が増すなど、食欲に影響を及ぼすことも明らかになった。さらに、睡眠時間を減らすと直腸で測定した深部体温が有意に低下し、体温の日内リズムに影響していることが明らかになった。
 前回は寝不足が脳に影響を及ぼすことで太りやすくなるという結果でしたが、今回の結果ではさらに寝不足が食欲抑制ホルモンの分泌低下及び食欲亢進をもたらし、深部体温が低下などの体温の日内リズムにも影響があることが分かったようです。確かに寝不足の時には朝は頭がボーっとして少し体が火照るような感じがしていましたが、あれが体温のリズムの乱れだったのかも?知れません。寝不足は免疫系にも悪影響を及ぼすばかりではなく、体にとって様々な支障を来す様ですから...健康管理には適度な睡眠は必須かも知れません!

17.2.11 露天風呂
 昨日泊まった標高1200mの温泉宿の露天風呂。凄く寒かったですが、雪景色の中での温泉...なかなか良いものでした!

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