仕事が完成するまで見せない、報告しない人の謎に迫る!
デジタル教科書が、
さらに進むらしい。
タブレットで教科書。
何冊入れても、
ランドセルが筋トレにならない。
検索もできる。
動画も見られる。
音声も出る。
便利です。
ものすごく便利。
「教科書というより、ちょっと賢い家電です。」
ところが、
ちょっと面白いことが起きています。
日本がこれから進もうとしている
デジタル化の道を、
先に進んだ北欧の国々が、
どうも見直し始めている。
紙の教科書を重視する。
読書の時間を増やす。
紙とデジタルのバランスを考える。
つまり、
先にやった国が、
「やってみたけど、紙も大事だったわ」
と、戻ってきている。
なのに日本は、
その道へ出発しようとしている。
……なんでしょう。
先輩が帰ってきながら、
「その道、ちょっと違ったよ」
と言っているのに、
後輩が、
「ありがとうございます!気をつけて行ってきます!」と出発。
……いや、そこは一回、詳しく聞こう。
新しいものは、正しいらしい。
どうも私たちは、
「新しい」というだけで
少し信用してしまいます。
デジタル。
AI。
自動化。
効率化。
聞いただけで、未来っぽい。
逆に、
紙。
手書き。
本。
時間をかける。
と言われると、
なんとなく古そう。
でも、
新しいことと、
良いことは、
同じじゃありません。
ここ、意外と忘れます。
そして、
新しい教科書にしたからといって、
子どもが突然、
考える子にアップデートされるわけでもない。
機械は更新できても、
中身まで自動更新されるわけではありません。
紙の本は、効率が悪い。
紙の本なんて、
効率だけで考えたら
かなり困った存在です。
読みたいページを探していたら、
途中の文章が気になる。
そこで読む。
さらに気になる。
前のページに戻る。
気づけば、
最初に何を調べたかったのか
分からなくなる。
しおりも消える。
本の間から、
いつのか分からないレシートまで出てくる。
……情報収集としては、かなり脱線しています。
でも。
その脱線の途中で、
「これって、どういうことだろう」
と考える。
一度、本を閉じる。
ぼんやりする。
また開く。
こういう時間があります。
ものすごく非効率です。
でも、
考えるって、
そもそも効率が悪いものなんです。
「分かった」と「考えた」は別です。
今は、
分からないことがあれば
すぐ調べられます。
検索すれば出てくる。
AIに聞けば、
分かりやすく説明してくれる。
文章だって、
まとめてくれる。
便利です。
本当に便利。
ただ。
便利すぎると、
「自分で分かった」のか、
「分かりやすくしてもらった」のか、
分からなくなることがあります。
「で、あなたはどう思う?」
と聞かれて、
……。(沈黙)
読み込み中。
知識はある。
情報もある。
検索もできる。
なのに、
自分の考えが出てこない。
これでは、
ちょっと切ない。
AIが賢くなるほど、
ここは大事になってきます。
考える前に、問い合わせ窓口を開設する。
AIは、
ものすごい量の知識を
持っています。
分からないことも、
かなり教えてくれる。
だからこそ、
これから必要なのは、
「どれだけ知っているか」
だけではなく、
「それ、本当?」
「私はどう思う?」
「別の見方はない?」
と、立ち止まることなんじゃないでしょうか。
答えがないと、
落ち着かない。
すぐ検索する。
すぐ誰かに聞く。
すぐAIに聞く。
考える前に、問い合わせ窓口を開設する。
……便利です。
自分の頭なのに、受付時間が短い。
便利にすることと、考えなくていいことは違う。
タブレットは使えばいい。
AIも使えばいい。
紙の本も残せばいい。
どれか一つを
神様みたいに扱わなくていい。
教育まで、
「時短できました!」を成果にしなくてもいい。
早く答えを出す。
たくさん覚える。
効率よく情報を集める。
もちろん大切です。
でも、
一つの文章で手が止まる。
分からなくて、
しばらく考える。
間違える。
考え直す。
前のページに戻る。
関係ないことまで考えてしまう。
そういう、
一見すると無駄な時間の中で、
考える力は育つのかもしれません。
先に行った人が、戻ってきた。
デジタルを否定する必要はありません。
紙に戻れ、
という話でもありません。
ただ、
「新しいから良い」だけは、
ちょっと疑っておきたい。
先にやった国が、
「一回やってみたけど、ここは紙も必要だったよ」
と戻ってきているなら。
私たちも、
「新しい教育だ!」
と走り出す前に、
一回くらい話を聞いてもいい。
先輩が、
「その道、ちょっと違ったよ」
と戻ってきている。
だったら、
「ありがとうございます!」
と言って走り出す前に、
「で、どこが違ったんですか?」
くらいは聞いてみたい。
タブレットは軽くていい。
教科書も軽くていい。
でも、
考えることまで、
軽くしなくていい。



