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小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(おがわよしお) / ファシリテーター

BTFコンサルティング

コラム

会社の会議の進め方:意見をまとめる:今理解すべき3つの視点

2020年2月24日 公開 / 2021年8月17日更新

テーマ:ファシリテーション

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 生産性向上 取り組みチームビルディング働き方改革

このコラムは、ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。

会議の進め方、みなさん苦労していますか?
私BTFコンサルティングのファシリテーションを活用した会議の進め方は、次の4つから構成されます。

  1. 場を作る
  2. 意見を引き出す
  3. 意見をかみ合わせる
  4. 意見をまとめる


3番の「意見をかみ合わせる」では、引出された意見をかみ合わせます。「意見を収束させる」ともいえます。
4番の「意見をまとめる」では、かみ合わされた意見をまとめ、合意を形成します。


このコラムでは、「意見をまとめる」について、今理解すべき3つの視点として、次の3点を書きます。5分程度で読める内容です。


私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのために貢献したい」と考え、この屋号にしました。

ファシリテーション(Facilitation)。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター(facilitator)と言います。


1. 意思決定手法とは?

会社の会議における意思決定とは何でしょうか。

会社の会議において、意思決定しなければならないものの代表的なものとして、①To Doをリストすること、②各々のTo Do項目に対して「誰が何をいつまでに何の役割でやるのか」を合意することがあります。
(本コラムでは、会社の会議とは「人が集まって議論し合意形成する行為」とします。情報共有目的の人の集まりではありません。)

ひとつの方法をご紹介しましょう。
会議中にTo Doが決まりますよね。このTo DoをRACI(レイシー)というフレームワークを活用して、「誰が何をいつまでに何の役割でやるのか」を合意します。
RACIは、役割と責任を見える化するものです。R、A、C、I各々の役割と責任は下記になります。

  • R:実行責任者 (RはResponsibleの頭文字):当該To Do項目を実行することに責任を持つ人(複数人可)
  • A:説明責任者 (AはAccountableの頭文字):当該To Do項目について内容や進捗・状況を組織内外に説明することに責任を持つ人(通常ひとり)
  • C:相談される人 (CはConsultedの頭文字):当該To Do項目の実行を支援する役割を担う(円滑に実行されるよう相談を受け助言する人(複数人可)
  • I:報告を受ける人 (IはInformedの頭文字):当該To Do項目の進捗・状況について報告を受ける役割を担う人(複数人可)
  • RAは誰かを必ず任命します。兼任可です。
  • CIは誰も任命されなくてもOKです。この2つも兼任可です。


進捗をいつ確認するのかも合意します。
次の会議で確認するのであれば、その会議をいつ開催するのかは、今決めてしまいましょう。会議のスケジュール調整というのは大変な作業ですので、一同に会しているときに決めてしまうのが良いです。


決定されたことが実行されるには、論理性と納得性が必要です。
デール・カーネギーは彼の著書「人を動かす」の中で、「人間は自尊心のかたまりです。人間は他人から言われたことに従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従います。だから、人を動かすには命令してはいけません。自分で思いつかせれば良いのです。」といっています。
皆で合意した「やること」を、その人自らが納得すること、これはとても重要です。

ですから、欠席裁判のように決めてしまうのは良くありません。
例えば、A(説明責任者)を、その場に居ない人に依頼したい、という場合には、その欠席している人に依頼交渉することをTo Doにして、RACIを決めるべきです。

RACIについては『会社の会議:会議の変革:RACIを活用して実施可能なTo Doを合意しよう』というコラムでわかりやすく説明しています。

なお、意思決定手法は、上記以外の方法もあります。BTFコンサルティングではその場その場で最適なものを用いるようにしています。意思決定手法に役立つフレームワークがいくつかありますので、お客様の組織・会社に合ったものを活用して、合意されたことが確実に実行されるような合意形成がなされるよう、伴走型で支援いたします。


2. コンフリクト・マネジメントとは?

コンフリクトとは、意見の対立のことです。

意見の対立は起こり得ます。ファシリテーターは意見の対立を歓迎します。

言い掛かり的な発言の場合は、その真意を確認させていただき、場合によっては発言をやめていただく場合もあります。
予めグラウンド・ルールで決めておくと良いですね。

一方、真剣な議論の場での意見対立は、その議題に対して真剣に良くしよう・解決しようとの考えからのものであり、合意できるところがあるはずです。1つ1つ丁寧に合意を重ねていくことで、意見対立が解消するようファシリテートするべきです。これを面倒くさがってはいけません。

ところで、会社の会議において、真剣な議論の場での意見対立は、実は対立では無い、ということがあります。
1つのメタファーとして、姉と妹のオレンジの取り合いの話をしましょう。
学校から帰ってきた姉と妹が1つのオレンジを巡って喧嘩をしています。取り合いをしています。
そこへ買い物からお母さんが帰ってきました。お母さんはオレンジを2つに切って、仲良く二人で食べなさい、と言いました。
妹はオレンジの皮を三角コーナーに捨てて中身を食べました。姉は捨てられたオレンジの皮をじっと眺めてからオレンジマーマレードを作り始めました。
お母さんが少し丁寧に、「対立しているように見えているもの」を解き解していたら、姉はオレンジ1個ぶんのマーマレードを作れたのです。妹もオレンジ1個分の中身を食べられたのです。そもそも喧嘩する(対立する)必要はなかったのです。

そもそも会社の会議においては、意見対立といってもベクトルが180度違うなんてことは滅多になく、多くは合意可能なベクトルの違いです。さらに、この合意を形成しようとする中で、新たなインサイトに出会うこともあります。みんな真剣に議論しているからです。

このように、ファシリテーターには「表面的に見えるもの」の中身を、傾聴や質問などを活用して解明して、コンフリクトしているものの本質をはっきりさせることが求められます。その上で、コンフリクトしているものの本質が解決されるよう、議論をファシリテートすることが求められます。


3. 振り返りとは?

自分たち(会議参加者とファシリテーター)が成長するために、もっと良い会議にするために、もっと効率よくするために、当該会議を振り返る時間を取ることは大切です。

振り返りは反省ではありません。

何が良かったのかを振り返り、何が良くなかったのかも振り返ります。そして、次回何をすべきなのかを振り返るのです。ちゃんと、良い点も振り返ることが大切です。もっと良くするために。

キーポイントは、振り返りを癖にしてしまうことです。
小さな改善を毎回することで、あなたのチームとって、あなたの会議は少しずつより良い会議になっていきます。


振り返りに使えるフレームワークもありますので、私BTFコンサルティングでは、適宜その会議に合ったフレームワークを使うようにしています。



このコラムに書いたことは、会議室で対面で行われる会議だけではなく、一人でもリモート参加者がいるオンライン会議に対しても言えることです。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたプロ

小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(BTFコンサルティング)

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