会社の会議の進め方:意見をまとめる:今理解すべき3つの視点
当コラムは、ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。
私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのために貢献したい」と考え、この屋号にしました。
ファシリテーション(Facilitation)。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター(facilitator)と言います。
『会社の会議:BTFコンサルティングの使い方(対面対応):お客様のご成長のために』 というコラムで、BTFコンサルティングのビジネスについて、コラムを読んでくださっている方にとって、BTFコンサルティングをどう使っていただきたいのか、という観点で紹介させていただきました。
対面形式でセミナーを開催したり、メンター(mentor)とメンティ(mentee)のような関係、あるいはコーチ(coach)とコーチィ(coachee)のような関係で伴走型で支援するということを書きました。
コロナ禍の中、オンラインで非対面な活動が当たり前になってきています。
私のビジネスもオンライン対応しています。
このコラムでは、その内容を説明いたします。
このコラムは次の4つの章で説明します。10分程度で読める内容です。
1. コロナ禍になり変わったこと
新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年の最初はいろいろな混乱がありました。
有効なワクチンも薬もありませんでした。
このコラムを書き直している今、2021年7月28日の時点で、有効なワクチンはあります。日本ではファイザー製のものとモデルナ製のものが接種されています。承認された薬もあります。
他方、変異株の影響や、ワクチン接種率の進み具合などもあり、まだまだこの先どうなるのかよくわからない状況だと思います。
このような状況下で、感染を避けるためには、テレワークやローテーション勤務、オンライン会議など、できるだけ対面を避けることが求められています。
一方、テレワークについては一部の会社では継続されているようですが、多くの会社ではオフィス出社をしているようです。
自分が他の人に伝染させてしまう危険性、自分が罹患してしまう危険性、会社の会議室で3密を作ってクラスターを作ってしまう危険性、後遺症で生活の質が落ちる危険性があることは意識すべきだと思います。
BCP(事業継続計画(Business Continuity Plan))という観点ではどうでしょう。大変失礼を承知で書かせていただきますと、いくつかの会社は「なんちゃってBCP」を策定していたのかもしれない、と思います。2011年3月11日の原発事故のように、「そんなことは起きない」という仮説のもとに作られていたのかもしれない、と私は思ってしまいます。
会社の会議でクラスターが発生したら、あなたのチームは約半月何もできなくなります。退院後の治癒に時間がかかる人もいると聞きますから、チームとしての生産性の落ちは顕著でしょう。もし、今大地震が起きてあなたの会社の建物が倒壊してしまったら?電気配線がショートして火災が発生し、オフィスに置いてあるものが全て焼失してしまったら?あなたの家は軽度の被害ではあるもの、交通機関が止まり道路は壊れライフラインも十分でない環境になったら?
テレワークをできるようにしておくことは、現在のコロナ禍の対応ということだけでなく、今後起きるかもしれない自然災害、さらに今回のコロナ以外の感染症に備える、という観点でも必要なことだ、と私は思います。もちろん、これだけで完璧というものではありません。ネットが使えない状態になったらアウトです。ただ、対策の1つとして、実際に機能するテレワーク体制を今作ることに意義がある、と私は思います。
インドではデルタ株でかなり悲惨な状況を経験しました。
2021年7月25日の日経記事『「越境リモート労働」3割増 コロナ受け世界で拡大』は、次のように指摘しています。『新型コロナウイルス禍で国境をまたぐ往来が制限される中、企業などがオンラインで国境を越えて仕事を発注する動きが加速している。働き手が渡航中止や帰国を余儀なくされても事業を継続できるようにするためだ。日本は世界の動きから取り残されており、デジタル人材の活用や育成を急がないと国際競争力の一段の低下につながる恐れがある。』
『北米に大量のIT人材を送り込んできたインドのインフォシスやタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)といったIT大手では技術者のビザの発給拒否が相次いだ。それでも各社の北米売上高は減っていない。インフォシスの21年3月期は83億ドルと前の期に比べ1割ほど増えた。
危機を乗り越えたのは現地採用の拡大に加え、技術者が帰国した際にも遠隔で対応したからだ。TCSのラマクリシュナン前最高財務責任者(CFO)は「リモート労働は場所やビザにかかわらず人材を配置でき、サービス提供のリスクを減らせる」とする。』だそうです。
2. 対面での会議やワークショップで必要なものを整理してみる
この章では、対面での会議やワークショップで必要なものについて、整理してみたいと思います。
a. 会議室
会議やワークショップをどこでやっているか。会社の会議室だろうと思います。
b. プロジェクター
資料を投影する形での会議やワークショップが多いのではないかと思います。
紙にプリントして配布するという昭和中期の形を継承している会社もあるかもしれません。
c. ホワイトボードとフリップチャート
資料は投影して、議論はホワイトボードやフリップチャートに書きながら議論を進める、という形をとっているのではないかと思います。
他方、せっかく同じ部屋にいても、ホワイトボードやフリップチャートという議論を進めるための道具は使わずに、言葉だけで議論しているという方もいらっしゃるかもしれません。
d. ポストイット
ホワイトボードやフリップチャートにポストイットを貼りながら議論している方は多くいらっしゃると思います。
そういうことをやったことのない方にとっては、会議にポストイットを使うということは理解していただけないかもしれません。
e. 数色のペン
議論が見える化されている会議やワークショップでは、ホワイトボードやフリップチャートに書く時に複数の色を使うことが通常です。フリップチャートに書くときは裏写りしないペンが重宝します。
ビジュアルな会議については、『会社の会議の進め方:意見をかみ合わせる:今理解すべき3つの視点』 で説明しています。
f. その他の文房具
投票に用いるシールなどがあります。フリップチャートに誤字を書いてしまった時に使う修正テープもあります。私はフリップチャートを会議室の壁に貼るために養生テープもよく使います。
g. 個人のノートやペン
個人用にメモに使う手帳やノートなどです。
h. 事前に用意される情報と資料
代表的なものは、会議の目的と目標を明記し、議論のプロセスを明記したアジェンダでしょう。さらにパワポなどの資料。それをバックアップする補足情報も事前に用意します。
ここに書いたことがわかりにくいという方は、『会社の会議の進め方:場を作る:今理解すべき3つの視点』 をお読みいただきたいと思います。
i. 会議の議事録や成果物
何がどのように議論されたのかが、文字だけでなく図やアイコンや矢印などで表現された議事録は、わかりやすいものです。
合意形成すべきもの。重要な成果物の1つにTo Doリストがあります。「誰が何をいつまでに何の役割を持って実施するのか」これを明確にして合意を形成する必要があります。
具体例は 『会社の会議の進め方:意見をまとめる:今理解すべき3つの視点』 をご参照ください。RACI(レイシー)というフレームワークを説明しています。
3. BTFコンサルティングのコンサルティング・サービスの全てをオンライン対応する
『会社の会議:BTFコンサルティングの使い方(対面対応):お客様のご成長のために』 というコラムは、お客様の会議室に伺って対面で対応することを基本と考えて書きました。
しかし、1章で書いたとおり状況は一変し、オンライン対応する必要性が高まりました。
そこで、オンライン会議ツールはじめ、他のオンライン・ツールも使って、オンライン対応した会議やワークショップをファシリテートすることに加えて、いろいろなツールに対するご相談に乗ることも事業に含めることといたしました。
「ツールに習熟し使えるようになっていただくことも含めて、ファシリテーターを育成する」ことを事業対象に含めるということです。どのツールを採用すべきか、その意思決定プロセスのご相談にも乗ります。ツールの使い方の説明も含めます。
また、『新型コロナウイルス対策:withコロナの会議をどうするべきか:意識すべき3つのポイント』 に書いたように、テレワークの組織文化やルールを創るワークショップ、コロナ禍での営業戦略を考えるワークショップ、などこちらから提案する「提案型」も積極的に行ってまいります。このコラムの副題にあるとおり「お客様のご成長のために」ビジネスを進めてまいります。
この章では、2章で書いた「会議やワークショップで必要なもの」をオンライン対応するということはどういうことか、を書いていきます。
リアル会議とオンライン会議の比較表を下に貼ります。タップやクリックで拡大します。
a. 会議室
オンライン会議ツールになります。
具体例はZoom、マイクロソフトTeams、Cisco Webex、Google Meetなどです。お客様の会議室なので、お客様にアカウント登録をしていただき、私をご招待していただく形を考えております。
既に何かのツールをご利用しておられる場合は、そのツールでOKです。
これから検討するという方は、選定に対して私のコンサルティング・サービスをお使いいただくことも可能です。上に述べたとおり、使い方の説明やツール習熟についてもサポートします。会議室に入ってクラウド上の会議室で会議ができるようになるまで伴走型で支援します。
b. プロジェクター
会議室と同じくオンライン会議ツールになります。
c. ホワイトボードやフリップチャート
オンラインツールの MURAL や Miro をお勧めします。
上記aの会議室同様、お客様にアカウント登録していただき、私をファシリテーターとしてご招待していただく形を考えております。将来的には、お客様のファシリテーターの方がクラウド上のホワイトボードを使って、会議やワークショップをファシリテートしていただくようになります。
ツール選定に際して私のコンサルティング・サービスをお使いいただくことが可能です。使い方の説明やツール習熟についてもサポートします。クラウド上のホワイトボードが困難なく使えるようになるまで、伴走型で支援します。
d. ポストイット
MURLやMiroの機能を使います。
e. 数色のペン
MURLやMiroの機能を使います。
f. その他の文房具
MURLやMiroの機能を使います。
g. 個人のノートやペン
ここは、お好きなものをお使いください。
アナログなままでもOKですし、デジタルに移行することもOKです。
h. 事前に用意される情報と資料
情報と資料は2章に書いたとおりです。
あなたの会社ではどこに保管していますか? Box や OneDrive などクラウドに保管していますか?既にクラウドに保管していらっしゃる場合は、引き続きお使いいただければと思います。
会社のオフィスのキャビネット内のバインダーの中に紙で保存しているという場合は、是非この機会にクラウド化することをご検討されてはいかがでしょうか?1章で書いたようにビルの倒壊や火災による焼失が起こってからでは取り返しがつきません。
i. 会議の議事録や成果物
議論はMURALやMiro上で行われます。議論の内容はそこに記録されます。
成果物としてのTo Doリスト(RACIで表現されたもの)はMURALやMiro上のホワイトボードでも良いですが、エクセルなどを使って表形式のファイルにして適宜アップデートしていく方が、一覧性の観点で使い勝手が良いと思います。
保管場所はBoxやOneDriveなどのクラウドですね。
j. 協働ツール
あなたの会社・組織では、オンラインで使う協働ツールを使っていますか?
例えば、Slack や Trello です。
テレワークしている時、効率的にコミュニケーションできるツールが必須です。
例えば、Slack を活用することができます。
個々のTo Do項目について、誰が何をやっていて今どんな進捗なのか、チーム全員に見える化されているツールが必須です。(あえて言うと、これはテレワークであろうとなかろうと必要なことです)
例えば、Trello を活用することができます。
こういったツールは使いこなせることが必須です。「あれ?これどうするんだっけ?」では仕事がはかどりません。
ですから、使いこなせるようになるまでツールの使い方も含めて伴走型で支援します。
さて、デジタル・デバイドでデジタルツールを使えない人をどこまでサポートするかは要ご相談です。
その方がどこまで自律して、今まで避けてきたICT(情報通信技術、Information and Communication Technology)に挑戦しようという気概があるのか否かにかかっている、と私は思います。例えば、わからないことはいつでもAさんに教えてもらおう、という依存体質で、何度も同じことを訊くようでは組織のお荷物になってしまいます。
一方、このコロナ禍を機に今まで避けてきたことに挑戦しようという方には、できるだけサポートさせていただきたい、と私は思っています。
(ただ正直、どれだけ丁寧にサポートできるかは、やってみないとわからないという気がしています)
このコラムのテーマは、お客様のご成長です。
コロナ前も今も「成長したい」と思っている人たちは多い、と私は信じています。
全員がテレワークの会議やワークショップをファシリテートすることは、対面で会議室でファシリテートすることに比べて、数段難しいです。一部の人が会社の会議室にいて、一部の人はテレワークでリモート参加、これはさらに難しいです。
とはいえ、コロナ禍の時代はしばらく続くと仮定して、そこにチャレンジして新しいスキルを身につけ、ファシリタティブなリーダーシップを持ち、チームの能力を高めていけるようになったら素晴らしい、と私は思いますので、そのようにご成長いただけるよう、伴走型で支援させていただきたいと思っております。
コロナ禍でも「人が集まって議論し合意形成する行為」はなくなリません。
それどころか、「人がネットワークを介してクラウド上に集まって議論し合意形成する行為」を円滑に促進できる人(ファシリテーター)の必要性は増える、と私は確信しています。もしかすると、必須という位置付けになるかもしれません。
あなたが一般の従業員の方であれば、是非ご自身のキャリアを考えていただきたいと思います。このコラムに書いたようなことができるようになりたいと思ったら、上司の方に相談していただきたいと思います。ご自身のキャリアプランはご自身のものです。会社が決めるものではありません。
あなたが主任・課長・部長といった組織のリーダー役であれば、ご自身のキャリアに加えて、組織のスキルプランを考えていただきたいと思います。あなたの組織にはどのようなスキルが必要になるでしょうか?何を強化する必要がありますか?私としては、ファシリテーターを組織に育て、その方またはあたながファシリタティブなリーダーになることを、お考えいただきたいと思います。
コロナ禍という環境下でのお客様のご成長のために、このコラムで書いたBTFコンサルティングのサービスをご活用いただきたいと思っております。
私が会社員時代に培った全てを、お客様に還元いたします。
オンライン対応したことで、地理的な制約がなくなりました。出張が不要になりました。私は千葉県在住ですが、北海道の方でも沖縄県の方でも、どの都道府県の方でも、私BTFコンサルティングのコンサルティング・サービスをご利用いただくことが可能です。さらに言うと、日本国外であっても全然OKです。
この章の最後に、BTFコンサルティングの事業の3本柱を書きます。これはオンライン環境下でも不変です。
- 会議・ワークショップについての悩み・課題を抱えているお客様企業・組織に、ファシリテーションの価値をご理解いただき、悩み・課題を解決していただけるよう支援・促進する
- ファシリテーションを活用してワークショップを開催し、お客様企業・組織内のチームが協働することで、ビジネス変革を、迅速に実現できるよう支援・促進する
- お客様企業・組織内に、自律的な変革実現能力が育つよう支援・促進する
お問い合わせ・ご相談は、こちら からお願いいたします。
4. 国の助成を受けてBTFコンサルティングをご利用いただけます
期間限定(令和4年度から令和6年度まで)で、国の助成を受けてBTFコンサルティングをご利用いただけるようになりました。
この章では、このことを説明します。
『日本は何十年も給料が上がっていない。労働生産性が低い。リスキリングやアップスキリングするために企業が行う人材投資が他の国々に比べてとても少ない。(だから、新しいスキルを身につけることもできないし、生産性を上げるためのスキルを身につけることもできない)』といったことを良く見聞きします。
2021年12月27日から2022年1月26日の間、厚生労働省ホームページなどにおいて、「人への投資」について国民からアイデアを募集したそうです。これを受けて、令和4年度から令和6年度までの間、国は人材開発助成金に新たな助成コース「人への投資コース」を新設したそうです。
このコラムで紹介したとおり、BTFコンサルティングでは、下記2つの能力開発を伴走型で支援しております。
- 会議の生産性を上げるためのファシリテーション能力開発
- ビジネス変革能力開発や、プロジェクトの協働能力を上げる能力開発(ソフトスキル向上、フレームワークや思考法活用能力開発)
これらが助成の対象になるのか否か、労働局の方に訊いてみました。助成の対象になり得るそうです。
「なり得る」と記した理由は、事業者(あなたの会社)が人材開発の計画の中にBTFコンサルティングの伴走型支援を組み込めば、助成対象になるとのことだからです。事業者次第ということです。
国の人材開発支援助成金を受けるための流れは、大まかにいうと下記になります。
- 事業者が人材開発の計画を立て、労働局に計画を提出する
- 人材開発計画に従い能力開発を実施する
- 事業者が助成金の支給を申請する
資料の厚生労働省のURLを添付します。
- 概要: https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000923165.pdf
- 詳細: https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000922575.pdf
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。