スパッタリングについて

熊田茂雄

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テーマ:表面処理技術

 工具等のコーティングや、半導体や液晶、光学素子等の機能膜形成に用いられているスパッタリング(sputtering)は、物理的気相成長法(PVD)の一種で、真空中でプラズマを用いて成膜する技術です。

 スパッタリングは、その材料選択の幅の広さ、高い密着性、制御のしやすさが特徴で、近年では、プラスチック表面の装飾等の用途にも広がりつつあります。

 スパッタリングは、真空中で不活性ガス(主に、Ar)を導入、ターゲット(プレート状の成膜材料)にマイナスの電圧を印加してグロー放電を発生させ、不活性ガス原子をイオン化し、高速でターゲットの表面にガスイオンを衝突させて激しく叩き、ターゲットを構成する成膜材料の粒子(原子・分子)を激しく弾き出し、勢いよく基材・基板の表面に付着・堆積させ薄膜を形成する技術です。

 スパッタリング法では、高融点金属や合金など、真空蒸着法では困難な材料でも、成膜が可能で、広範囲な成膜材料に対応できます。

 真空蒸着をはじめとした蒸着加工では分子のサイズが小さいのに対して、スパッタリングの分子はサイズが大きくなっています。そのため、小さな製品のコーティングには向かない反面、大きな製品では効率よくコーティングできるというメリットがあります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/sputtering

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熊田茂雄
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熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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