布団と毛布の正しい使い方 どの順番でかけると一番暖かい?
◆はじめに
今年も残すところあとわずかとなりました。慌ただしい師走を駆け抜け、ようやく一息ついている方も多いのではないでしょうか。睡眠障害を専門とする医師の視点から、新しい一年の幕開けを彩る初夢について、科学的な知見を交えてお話ししたいと思います。
「一富士、二鷹、三茄子」という言葉があるように、日本では古来、正月の夜に見る夢でその一年の運勢を占う習慣があります。一般的に初夢は1月1日から2日にかけて、あるいは2日から3日にかけて見る夢を指しますが、せっかくなら縁起の良い、心地よい夢を見たいものですよね。実は、どのような夢を見るかは、単なる運任せではなく、眠る前の準備や睡眠の質にある程度左右されることが分かっています。
◆夢の正体とレム睡眠
私たちはなぜ夢を見るのでしょうか。睡眠には、脳を休めるノンレム睡眠と、体は休んでいても脳が活動しているレム睡眠の2種類があります。夢の多くはこのレム睡眠中に見られます。
レム睡眠中、私たちの脳は日中の記憶を整理・定着させ、感情の処理を行っています。このプロセスの断片がストーリーとして意識に現れたものが夢です。つまり、心身がリラックスし、脳が健やかに整理整頓を行える環境を整えることこそが、良い夢を見るための近道なのです。
◆理想の初夢を誘う「ドリーム・インキュベーション」
心理学や睡眠医学の分野では、見たい夢の内容を意図的に誘導するドリーム・インキュベーション(夢の孵化)という技法が知られています。初夢で良いイメージを見るために、以下のステップを試してみてください。
・ポジティブなイメージの視覚化:布団に入る直前、自分が見たい風景や、達成したい目標、幸せを感じるシーンを具体的に思い描いてください。写真やイラストを眺めるのも効果的です。脳に「これからこの情報を整理してね」とリクエストを送るようなイメージです。
・アファメーション(肯定的自己暗示):「私は今夜、とても気分が良い夢を見る」「目が覚めたとき、幸せな気持ちになっている」と心の中で唱えます。不安やストレスは悪夢の引き金になるため、意識的にポジティブな言葉で脳を満たしましょう。
◆専門医が推奨する「快眠環境」の整え方
どんなに強く願っても、睡眠の質が低いと夢の内容も不安定になりがちです。以下のポイントをチェックしてください。
・寝酒を控える:お正月はお酒を飲む機会が多いですが、アルコールは睡眠を浅くし、レム睡眠を断片化させます。中途覚醒が増えると、せっかくの夢を覚えていられなかったり、不快な夢を見やすくなったりするため、深酒は禁物です。
・温度と湿度の管理:冬の寝室は冷え込みますが、寒さによる身体的なストレスは悪夢の原因になります。室温は18度〜22度ほど、湿度は50%前後に保つのが理想的です。
・ブルーライトを遮断する:就寝直前までスマートフォンを見ていると、脳が覚醒してしまい、記憶の整理がスムーズに行われません。眠る30分~1時間前からは画面を閉じ、リラックスタイムを過ごしましょう。
◆もし「悪い夢」を見てしまったら?
もし初夢が怖い内容だったとしても、落ち込む必要はありません。睡眠医学の観点では、悪夢は脳がストレスを処理しようと頑張っている証拠です。夢の中で恐怖をシミュレーションすることで、現実世界でのメンタル耐性を高めているという説もあります。
「悪い夢を食べてくれる」と言われる伝説の生物・獏(バク)に夢を差し出すような気持ちで、深呼吸をして忘れてしまいましょう。
◆おわりに
良い初夢を見るための最高の準備は、自分自身の体をいたわり、リラックスして眠りにつくことです。2026年が、あなたにとって健やかで素晴らしい一年になることを心より願っています。
雨晴クリニックでは、夢見に関するご相談をお受けしています。どうぞお気軽にごお尋ねください。




