昼間の眠気、放っておいて大丈夫? 原因と対策を解説
女性の皆さんは、月経の時期になると、いつもと違う眠り方をしていることに気づいていますか? 眠れない、眠すぎるなど、睡眠の質が変化することは、決して珍しいことではありません。今回は、月経と睡眠の関係性について、特に「月経随伴睡眠障害」と呼ばれる状態に焦点を当てて解説します。
■月経随伴睡眠障害とは?
月経随伴睡眠障害とは、月経周期に関連して現れる睡眠の乱れのことです。具体的には、不眠や過眠、レム睡眠行動障害などが挙げられます。これらの症状は、女性ホルモンの変動が大きく影響していると考えられています。
■なぜ睡眠に影響が出るのか?
月経周期は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が大きく変動することで成り立っています。これらのホルモンは、脳内の神経伝達物質にも影響を与え、睡眠と覚醒のリズムを調節する働きがあります。月経前や月経中は、これらのホルモンバランスが大きく変化するため、睡眠のリズムが乱れてしまうのです。
■月経随伴睡眠障害の症状
月経随伴睡眠障害の症状は、人によって様々ですが、一般的な症状としては以下のようなものがあります。
・不眠:眠りが浅い、夜中に何度も目が覚める、なかなか寝付けないなど。
・過眠:日中の眠気、倦怠感など。
・レム睡眠行動障害:睡眠中に夢の内容をそのまま行動に移してしまう。
・悪夢:不安な夢を頻繁に見る。
■検査と診断
月経随伴睡眠障害の診断は、医師の問診と睡眠日誌の記入に基づいて行われます。睡眠日誌には、毎日の睡眠時間や起床時刻、寝つきやすさ、夜間の覚醒回数などを記録します。必要に応じて、睡眠ポリグラフ検査(脳波・心電図・呼吸などを測定する検査)を行うこともあります。
■治療法
月経随伴睡眠障害の治療法は、症状の程度や原因によって異なります。一般的には、以下の治療法が行われます。
・薬物療法:睡眠導入剤や抗不安薬などが処方されることがあります。
・認知行動療法:睡眠の質を改善するために、考え方や行動を変えていきます。
・生活習慣の改善:規則正しい生活、カフェインやアルコールの摂取制限、リラックスできる環境づくりなどが大切です。
■自分でできる対処法
月経に伴う睡眠の悩みを少しでも軽減するために、自分でできる対処法もいくつかあります。
・規則正しい生活:毎日同じ時刻に起床し、就寝するように心がけましょう。
・リラックスできる環境づくり:寝室を暗く静かにし、快適な寝具を使用しましょう。
・軽い運動:適度な運動は、睡眠の質を改善する効果が期待できます。ただし、眠る直前の激しい運動は避けましょう。
・温かいお風呂:入浴は、体を温めリラックス効果を高めるのでおすすめです。
・ハーブティー:カモミールやラベンダーなどのハーブティーには、リラックス効果があるといわれています。
■まとめ
月経に伴う睡眠の悩みは、決してあなただけではありません。まずは、自分の症状を把握し、適切な対処法を見つけることが大切です。もし、日常生活に支障が出る場合は、医師に相談することをおすすめします。
雨晴クリニックでは、月経随伴睡眠障害の方の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。