SNS・LINEの執拗な連絡はストーカーになる?警告・禁止命令の流れ
ご相談前の状況
依頼者:女性(会社員)
トラブル内容:取引先関係者から過剰なアプローチを受けていた
一方的に贈られた現金・物品の返還請求受け、さらに自宅・職場への押しかけられた
依頼者の女性は、取引先に所属していたB氏と業務上で接点がありました。女性側に特別な感情はなかったものの、B氏は一方的に好意を寄せるようになり、職場へ手土産を持参するなど、アプローチを開始しました。
B氏は現金の受け取りを強引に迫り、断りきれなかった女性はやむを得ず受領する形となります。その後、一度食事に応じたことをきっかけに交際の申し入れがエスカレートしたため、女性が明確に拒否したところ、B氏は態度を激変させ「これまで渡した金品をすべて返還しろ」と要求してきました。
女性は即座に受け取ったお金を銀行振込で返金し、職場に相談して担当を外してもらったうえで連絡を遮断しました。しかしB氏は、伝えていないはずの自宅住所を何らかの手段で特定し、自宅や職場へ請求書や手紙、物品を執拗に送り付ける行動に出ました。恐怖を感じた女性が警察へ相談するも「すぐに事件化することは困難である」との回答であったため、事態の打開を求めて当事務所へご相談にお越しになりました。
弁護士による初期対応と解決までのプロセス
事情を精査したところ、金品は女性側からの要求ではなくB氏から半ば強引に渡されたものであり、返還する義務は発生しないことが確認できました。問題の本質は返還義務の有無ではなく、B氏による執拗な接触・アプローチ(ストーカー行為)の遮断と女性の安全確保にありました。
弁護士は女性に対し、防犯カメラ設置等の自衛策や警察への継続的な相談をアドバイスするとともに、接点を遮断しつつB氏を牽制するため、すべての窓口を弁護士へ一元化する方針で進めることになりました。
B氏の住所を特定するため弁護士会照会を実施し、携帯電話番号の契約者情報から正確な現住所を把握いたしました。弁護士からB氏へ直接連絡を入れ、代理人就任した旨を通知するとともに「女性および関係先への一切の接触・連絡の禁止」を通告し、送り付けられた物品の返還を試みました。B氏は支離滅裂な発言を繰り返し物品の受取りも拒否しました。
その後、B氏が女性の勤務先のホームページやSNS上で誹謗中傷と見られる投稿を開始したため、弁護士は勤務先と協力のもと再度警察へ相談・情報提供を行いました。警察からB氏本人に対して直接の警告連絡がなされたことで、ネット上の誹謗中傷や付きまとい行為は停止いたしました。
以降、長期間にわたりB氏からの接触や迷惑行為はなくなり、念のため、警戒体制を整えたうえで終件といたしました。
解決の成果
・ストーカー被害の阻止:自宅・職場への押しかけ、郵送物の送付、およびネット上の誹謗中傷を停止
・安全確保:警察による警告と弁護士介入により接触を遮断
・金銭・物品負担:不当な返還請求を拒絶し、負担0円で解決
弁護士からのアドバイス
一方的な好意や感情のこじれに端を発するストーカー・不当要求トラブルでは、相手方が「過去に渡したプレゼントや現金を返せ」「誠意を見せろ」といった口実を作り、当事者との接点を維持しようとするケースが多く見られます。
法的には、一方的に贈与された金品を後から返還する義務はありません。相手の要求に怯えて不用意に連絡に応じたり、当事者間で対応を続けたりすると、相手方の反応を期待する心理(ストーカー心理)を刺激し、行為がさらにエスカレートする危険性があります。
こうした被害に直面した際は、LINEやメッセージの履歴、届いた郵送物、防犯カメラ映像などの客観的証拠を確保し、すみやかに警察へ相談することが重要です。
すぐに刑事事件化が難しい場合であっても、弁護士が代理人として介入し連絡を遮断することで、警察からの「警告」を引き出すための状況作りができる場合があります。相手からの接触や執拗な返金請求でお困りの際は、一人で悩まず早めに弁護士へご相談ください。


