ストーカートラブルに遭ったら絶対にやってはいけない5つのこと|早期・穏便に解決するために
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼者 | Aさん(女性・会社員) |
| 相手方 | 取引先企業に所属していたBさん(男性) |
| ご相談の内容 | 一方的に好意を寄せられて交際を求められたが、これを断ったところ、これまで渡された金品の返還を求められたほか、誹謗中傷などの行為が続くようになった |
ご相談に至るまでの経緯
Aさんは勤務先の業務を通じて、取引先に所属するBさんと顔を合わせる機会が多くありました。Aさんに特別な感情はありませんでしたが、Bさんは次第にAさんへ好意を寄せるようになったようです。
Bさんは職場を訪れるたびにお菓子やお酒などを差し入れるようになり、ある時には現金を渡そうとしてきました。Aさんは一度断りましたが、Bさんが強く食い下がったため、やむを得ず受け取ることにしました。
その後もBさんからの贈り物や個人的な連絡は止まらず、仕事以外での面会も求められるようになりました。取引先との関係や、現金を受け取っていた経緯もあったことから、Aさんは一度だけ食事に応じましたが、これを機にBさんからの交際の申し入れはさらに強まりました。
Aさんが交際する意思がないこと、贈り物も受け取れないことをはっきり伝えると、Bさんは態度を一変させ、これまで渡した金品を返すよう求めてきました。物についてはすでに手元になく、その旨を伝え、金銭については振込で返金しましたが、その後もBさんからの接触は続きました。
職場に事情を説明して担当を外れてもらい、連絡先をブロックしたところ、今度は職場や自宅宛てに「請求書」と題する書面や品物が届くようになりました。Aさんが自宅の住所を伝えていなかったにもかかわらず、何らかの方法でそれを把握していたことから、Aさんは警察に相談しましたが、当時は事件として扱ってもらうには至らず、困り果てて弊所にご相談にいらっしゃいました。
弁護士の対応と解決までの流れ
弁護士がAさんから経緯を詳しく伺ったところ、金品はAさんから求めたものではなく、いずれもBさんが一方的に渡してきたものであることが確認できました。そのため、仮にBさんから返還を求められても、Aさんが応じる法的な義務はないことをご説明しました。
もっとも、本件の本質的な問題は金品の返還の可否ではなく、Bさんが接点を持とうとする行為をどのように収束させるかにありました。Bさんが自宅の住所を把握している可能性を踏まえ、Aさんの安全確保を優先しながら対応方針を検討しました。
具体的には、防犯カメラの設置など証拠を残す対応と、夜間の単独行動を控えるなどの自衛策をとっていただくとともに、Bさんから接触があった際は速やかに警察へ報告することをお伝えしました。また、請求書と題する書面についても、応じる必要はなく、Aさんからの反応そのものをBさんが求めている可能性があるため、こちらから連絡をしないほうが望ましいとご説明しました。
Aさんより、以後の対応を一任したいとのご希望があったため、弁護士が窓口となって対応することになりました。Bさんについては氏名・勤務先・電話番号のみが判明していたため、弁護士会照会により契約者情報を調査し、住所を特定しました。
弁護士からBさんへ連絡し、以後はAさん本人や関係先へ連絡しないよう申し入れるとともに、送付された物品の返還について住所を確認しました。当初Bさんは本人であることを否定していましたが、途中で認めるに至りました。もっとも物品の受け取りは拒否され、弊所に返送されています。
その後Bさんからの直接の連絡は止みましたが、しばらくしてAさんの職場のウェブサイトやSNSに、Bさんによるものとみられる誹謗中傷の投稿が確認されたため、職場の協力を得て再度警察に相談しました。警察からBさんへ事実確認と警告の連絡がなされた後は、同様の行為は見られなくなり、一定期間の経過をもって対応を終えました。
解決結果と弁護士からのコメント
弊所では、これまでも一方的に行為を寄せられて被害に遭われた方からのご相談を数多くお受けしてきました。交際関係にあった相手からのケースだけでなく、本件のように交際関係のない相手から一方的なアプローチを受けるケースも少なくありません。
いずれのケースでも、まずは最寄りの警察署に相談することが重要です。証拠から犯罪事実が明確でない段階では、すぐに事件として扱われないこともありますが、被害を予防するための警告を行ってもらえる場合や、後に事件化を希望する際の準備につながる場合があります。相談の際は、時系列を整理し、証拠となるやり取りを提示できるよう準備しておくとよいでしょう。
相手方の言動が収まった場合でも、明確に今後関わらないことを約束する書面を取り交わせないまま終結するケースもあります。相手方が当方との認識に大きなずれを抱えていることや、感情的になっていることも多く、こうした場合には終結の確認が難しくなる点にご留意ください。
弊所では、この種のご相談をお受けした場合、対応期間をあらかじめ限定せず、相手方から連絡が続く限り、また行為が再開した際にも対応することとしております。ご本人が直接やり取りをすることは避けたほうがよい一方で、反応がまったく得られないことで行為がエスカレートする可能性もあるため、警察と連携しながら慎重に対応を進めることが望ましいといえます。同様のお悩みをお持ちの方は、早めに弊所へご相談ください。


