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コラム
下位概念の商品の使用によって、上位概念の使用が認められた事例
2022年1月2日
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
妻や子どもが好きなアイスの一つがあずきバーです。
あずきが入ったアイスバーなので、一見識別力がないと考える人も
いるかもしれませんが、こちら商標登録されています(商標登録第5580635号)。
実は、あずきバーは、審査、審判では、識別力がないとされました。
しかし、審決取消訴訟において、
平成20年以降に毎年約1億2000万円もの広告宣伝費や、
平成22年度に2億5800万本もの販売実績が認められ、
商標法3条2項が適用され、識別力があるとされました。
なお、登録商標の指定商品は、あずきを加味してなる菓子です。
実際に販売されていたのは、この下位概念である
あずきを加味したアイスバーです。
あずきを加味したアイスバーに対して商標を使用していますが、
上位概念であるあずきを加味してなる菓子全体への使用実績として
考えて良いのかという論点もあります。
この判決によって、審査基準では、
「取引の実情を考慮して、指定商品又は指定役務と使用する商品又は役務の同一性が
損なわれないと認められるときは,指定商品又は指定役務について出願商標を
使用しているものと認める」と定められるようになりました。
このため、下位概念の商品が使用によって識別力があると考えられるのであれば、
その下位概念を含む上位概念で指定商品や指定役務で出願を試しても良いかもしれませんね。
商標・意匠・不正競争判例百選(第2版).
販売されているアイスバーもあずきを加味したアイスバーのため、
あずきを加味してなる菓子
参考:商標・意匠・不正競争判例百選(第2版) (別冊ジュリスト) (あずきバー事件)
平成25年1月24日判決
商標審査基準3条2項
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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