美術大会の奨励賞作品騒動で思うこと
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
中国のネット小説(日本でいう小説家になろうや、カクヨムのようなもの)の市場規模が
250億元(約4450億円)になったそうです。
確かに、琅琊榜などネット小説から始まったドラマが大ヒットするなど、
面白い作品も増えてきています。
ただ、中国共産党中央宣伝部が不良文化となる表現を排除する方針を打ち出しました。
例えば、陳情令もネット小説発のBLですが、この種のものも今後規制されると考えられます。
さて、日本共産党も選挙公約の女性とジェンダーのところで、
「現行法は、漫画やアニメ、ゲームなどのいわゆる「非実在児童ポルノ」については
規制の対象としていませんが、日本は、極端に暴力的な子どもポルノを描いた漫画や
アニメ、CG、ビデオ、オンライン・ゲーム等の主要な制作国として国際的にも名指し
されており、これらを適切に規制するためのより踏み込んだ対策を国連人権理事会の
特別報告者などから勧告されています(2016年)。非実在児童ポルノは、現実・生身
の子どもを誰も害していないとしても、子どもを性欲や暴力の対象、はけ口としても
良いのだとする誤った社会的観念を広め、子どもの尊厳を傷つけることにつながります。」
と書いています。
この意見については反対です。
第一に、「非実在児童ポルノ」と、犯罪との科学的な因果関係は証明されていません。
第二に、表現の自由は、悪い表現を守るためのものです。
良い表現でしたら、誰しも文句を言いません。
悪い表現だからこそ、表現の自由が問題になるのです。
中国共産党の行っている不良文化の排除も、彼らなりに、
中国の人民を正しく導くために、人民に対して例えば男性同士の
恋愛という誤った社会的観念を広めないようにするために行っています。
また、戦前日本でも接吻や、不倫は不道徳であるとして、
検閲の対象となっていました。
そして、検閲の対象が広がって行ったという歴史があります。
為政者の考える正しい表現のみが認められるようになり、
今回の動きが戦前の焼き直しのきっかけになる可能性もあります。
第三に、「非実在児童ポルノ」を規制しても、実際の子供達が救えません。
児童ポルノは実際に被害を受ける子供がいます。
その子供達が安心して暮らせるように、
児童養護施設や、児童福祉司への予算拡充や、
児童に対する性犯罪者の再発防止プログラムへの予算拡充など
実際の子供達を守るような政策を立ててもらいたいものです。
また、日本は先人達が守り続けた表現の自由を守り、
多様なコンテンツを生み出すことが可能な国としてあり続けて欲しいと願っています。
一応、日本共産党も文化のところで
「「児童ポルノ規制」を名目にしたマンガ・アニメなどへの法的規制の動きに反対します。」
とは書いてはいます。
こちらに合わせて、女性とジェンダーのところの書き方を変えて欲しいと願っています。
参考:7、女性とジェンダー(日本共産党分野別政策)
60、文化(日本共産党分野別政策)
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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