研究者が企業と契約を結ぶ前には専門家の助言を受けたほうが良いと思います。
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
ワクチンについて、特許が障害になっているという話があり、
ワクチンの特許を無効化しろというような要求が出ています。
また、実施権を付与すべきだという話も出ています。
これは立場によって判断が分かれる難しい問題です。
開発したメーカから見れば、
当たるかどうかわからない製薬の研究に、
長年時間とお金をかけ、やっと利益が出そうになったら、
他社がその技術を自由に使えることになります。
投下した資金の回収も難しくなりますし、
最悪倒産する恐れもあります。
今回の場合、ほぼ原価でワクチンを販売しているようなので、
十分な社会的な責任を果たしていると考えるでしょう。
また、生産能力が足りないので、
自社の工場を新たに立ち上げた場合、
その後に需要が低下すると、過剰な生産能力を持ってしまうことになります。
また、他の国や、他の会社の工場建設を手伝うと、
その後の競合を作り出すことになり、
会社の利益が減少する可能性が高いです。
一方、ワクチンを持たない国から見れば、
自国の安全保障上、ワクチンが必要になります。
また、自国民が亡くなっていれば、
なんとしてでもワクチンを入手しようと思うでしょう。
このため、ワクチンが十分な量供給されないようでしたら、
自国で生産を望みます。
もしも、特許権によってワクチンの生産が阻害されるのでしたら、
公共の利益のための通常実施権や、同種の制度を使って、
自国で生産することを考えます。
しかし、特許の明細書だけで、ものづくりをすることは難しいです。
特に、今回のような新しい形式のワクチンですと、
ある種のノウハウが必要です。
特に、今回のワクチンの場合、他のウイルスなどへの応用できる可能性が高い
技術のため、技術供給を受けたいと思うでしょう。
企業側からすれば、営利事業ですので、技術供給が難しい点もありますし、
とはいえ、国側から見れば国民の命がかかっていますので、落とし所が難しいですね。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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