商標の社会通念上同一の商標を示した事例（テディベアー事件）
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
マタニティマークのパロディTシャツを着て、
SNSにアップした行為が商標権侵害ではないかというものを見ました。
このマタニティマークのパロディTシャツの道義的な是非はともかく、
商標権侵害には該当しません。
商標法2条1項1号に
「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの」
と規定されています。
ここで業とは、「反復継続して」の意味であり、営利を目的とすることを要しない。とされています。
マタニティマークのパロディTシャツを着てSNSにアップする行為が、
商標権侵害かについて考えてみます。
まず、作られた方の職業からして、何回もこのようなTシャツを作ることはないと考えられます。
（25類に被服で、3条1項1号や2号に該当しないと考えられます）
このため、業として商品を生産には該当しません。
また、マタニティマークの商標権の指定役務には「訴訟事件その他に関する法律事務」が含まれていません。
商標権にかかる指定商品・指定役務を見ても、類似している役務とは考えにくいです。
このため、今回の行為は商標権侵害に該当しないです。
商標権侵害に該当するか否かは、商標法上の商標か否かや、
指定商品・指定役務との関係も考える必要があります。
なお、仮に、このTシャツをネットなどで販売していた場合、
登録商標に類似した商標を指定商品「被服」で使用した行為に該当し、
商標権侵害に該当し得る行為となります。
※ 今回の記事はあくまでも商標権侵害か否かの観点でのみ書いています。
著作権やマタニティマークの使用方法として適正か否かは別の話です。
参考：マタニティマーク
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弁理士 鈴木康介（特定侵害訴訟代理権付記）
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