印紙代などが変わるかもしれません。
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
約20年ほど前、コンサルティング業界では新しいビジネスが出てきました。
BPO(Business Process Outsourcing)ビジネスです。
当時、対象になっていたのは、人事や、会計業務でした。
巨大な企業であればあるほど、コストが削減でき、
コアの業務に集中できるので良いとされていました。
例えば、大連のセンターを使うことで、
30%以上のコスト削減ができたという話を聞いたことがあります。
先日、紹介したパソナのビジネスは、大手の知財部を対象とした
BPOのように感じました。
本社から知財部を切り離し、パソナと共同で会社を設立することで、
元々の親会社の知財管理だけでなく、収益をあげることができる可能性があります。
(今回は、パソナとパナソニック)
つまり、コスト部門が収益を上げる子会社に変わり得るのです。
短期的に見れば、企業の収益向上に貢献する可能性があります。
その一方で、知財の仕事は社内の情報をよく知っている必要があります。
知財部が外の会社になってしまうと、情報の共有が難しくなります。
自社にとって、本当に必要な知財が取れなくなる可能性がありますし、
複数の事業部間にわたる調整業務も難しくなると思います。
また、他社の知財の仕事を行っていると、情報のコンタミが起きる可能性があります。
さらに、自社のことであれば、知財部は長期的な手を打つことができますが、
契約による外部の会社になった場合、ある程度短期で結果(収益)がでる手を選ぶ傾向があります。
ある程度の数字が出せないと、契約が打ち切られる可能性があるからです。
(知財系の人なら、長期ではダメになるけど、短期的にPLをよくする方法はわかると思います)
このため、仮に、知財のBPOが流行り始めても、知財部は自社内に保有した方が、
長期的な企業の業績に貢献すると思います。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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