起業家は色彩のみの商標出願をしない方が良い。
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
昨日書いたブログについて、友利昴さんがご自身のブログの中で言及してくれました(商標「LADY GAGA」事件が与えた答え)。
友利さんのご指摘のおかげで、自分の違和感を考えるきっかけになりました。
まだ、完全に整理できていませんが、「LADY GAGAが歌手名と認識されればそれは
品質表示に過ぎず、自他商品識別機能を果たし得ない」という所に違和感を感じています。
1。歌手名は品質表示か?
昔、米米CLUBが好きで、1997年の解散前までのアルバムは全て持っていました。
米米CLUBは結構な人数のバンドで、独創的なライブを作りあげるのに
命をかけていたようなバンドでした。
また、ご存知の通り、米米CLUBは、楽曲の幅が広く「浪漫飛行」
「君がいるだけに」のような曲や、
「スノー・ボール」、「東京Baysideclub」のような曲や
「ホテルくちびる」「愛の歯ブラシセット」のような曲があります。
アルバムによってテイストが結構異なるので、米米CLUBが歌っているという品質を表すのは
確かなのですが、だからと言って、こんな感じの曲という予想ができないのです。
(ファンなら、曲名でだいたいわかりますが。。。)
もちろん、どんな曲が入っているかわからないというのが品質とされる可能性はありますし、
「夏目漱石小説集」事件のことを考えれば、登録されないのはわかるのですが、
米米CLUBが作り上げたアルバムといった出所表示機能があっても良いような気がするのです。
(雑誌に近いイメージです)
2。Youtubeや、SoundCloudなどの環境の整備
昔は、ライブして、レーベルからデビューみたいな流れがあったと思います。
しかし、今は個人で録音、編集し、YoutubeやSoundCloudなど様々なプラットフォームで
作品が発表できますし、個人でマネタイズできるようになってきています。
Music videoというかYoutubeにのせる販促用の動画も、
最近では歌手が自分で依頼し、作っているケースもあります。
昔は、レコード会社が販売していましたが、
現在は、歌手本人が販売する形態も可能になってきています。
また、書籍の分野でも、小説家になろうなど小説投稿サイトで人気の作者が、
出版社を介さずに、KDPなどで電子出版しているケースも出てきています。
例えば、みかみてれん氏は、みかみてれん文庫を作り、
みかみてれん氏の作品をKDPで販売していました。
このため、個人が製造者・販売者になるのが容易になってきているので、
歌手名やバンド名などを機械的に品質として拒絶しなくても
良いのではないでしょうか?
仮に、有名なバンドがレコード会社と喧嘩して、
バンド名で販売サイトなどを立ち上げ、
CDやダウンロード販売をするようになった場合に、
商標登録ができなくなると不利益を生じると思います。
実際の使用態様に応じて、商標的使用か否かと判断したり、
26条を適用するなどの運用になっても良いと考えます。
今回の考えは今日時点の考え方なので、今後変わる可能性があります。
考えるきっかけを作ってくれた、読み合わせ会の面々や、友利さんに感謝申し上げます。
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