特許庁が特許取得
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
特許庁からAI・IoT 技術の時代にふさわしい特許制度の在り方の中間まとめが公表されました。
1.AI 技術の保護の在り方
こちらは、関連データの保護に力を入れていくようです。
2.DX 時代におけるデジタル化・ネットワーク化への対応
複数主体の場合と、サーバの一部が海外にある場合の問題が議論されていました。
こちらは、取り立てて法改正につながらなそうです。
3.プラットフォーム化するビジネスへの対応
こちらも損害額の算定などが問題となっているようですが、推移を見守っていくようです。
4.特許権の実効的な保護のための関連データの取扱い
AI 学習用データの生成方法の特許や、学習済みモデルを利用した推定装置の特許によって生成されたデータや、・特許製品に関連する3D プリンタ用データを事例として検討していました。
直接侵害、間接侵害にするかという検討を引き続きしていくようです。
5.円滑な紛争処理に向けた知財紛争処理システム
(1)早期の紛争解決を図る新たな訴訟類型
いわゆる二段階訴訟の議論です。
導入したいような雰囲気も感じましたが、ニーズがそもそもあるかという意見が書かれていたり、訴額をどうするかという問題もあるので、導入するにしても時間がかかるような気がします。
(2)当事者本人への証拠の開示制限
米国のアトニーズ・アイズ・オンリーを参考にした制度を導入するかという議論がされています。
ただ、訴訟途中で代理人が死亡した場合はどうするなど、様々な課題が挙げられています。
(3)第三者意見募集制度
AI・IoT 技術の時代においては、特許権侵害訴訟は、これまで以上に高度化・複雑化することが想定されるため、第三者意見募集制度については異論がなかったようです。
このため、導入される可能性が高いです。
(4)代理人費用の敗訴者負担
制度化せずに、裁判所の運用といった方向で決まりそうです。
(5)特許権者の金銭的救済の充実
こちらは関係者の間で意見の隔たりが大きいため、推移を見守るようです。
(6)訂正審判等における通常実施権者の承諾
訂正審判の請求又は訂正の請求における通常実施権者の承諾を不要とする方向で改正を検討すべきであるとの意見で一致したようなので、この制度が導入される可能性が高いです。
6.紛争形態の複雑化への対応
(1)差止請求権の在り方
貢献度の低い特許による差止請求が課題として挙げられていました。
権利濫用となる場合もありますが、これを法改正して明文化した場合、特許権の効力を弱くするという印象を与えるため、当分の間は推移を見守ることになりました。
(2)標準必須特許を巡る異業種間交渉
異業種間でのライセンス交渉の場合、クロスライセンスが成立しにくく、料率の違いなどがあって困難であるという状況があるようです。
適正かつ公平なライセンス制度となるように、今後も引き続き検討していくようです。
7.中小・スタートアップが知財を活用しやすい環境整備
この一環として、先日のモデル契約書が公開されたようです。
今後も、様々な手段を講じていくようです。
8.特許の活用方法の多様化への対応
排他的独占権ではない特許権の使い方ができるような制度の検討がされるようです。
参考:AI・IoT 技術の時代にふさわしい特許制度の在り方
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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