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コラム
独禁法 その2
2020年2月8日
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
小田切先生の講義で学んだことの続きです。
私的独占
有力な企業が、取引先へ圧力をかけて、競合を市場から排除したり、新規参入を防ぐ行為です。
例えば、大手製造メーカが、部品メーカに対して、競合に売るなと命じたり、小売に他社製品の販売を行うなと命じたりすることです。
こうなると市場での競争ができなくなるため、消費者が価格や品質が優れた商品を買えなくなります。
事例としては、NTT東日本事件 最高裁平成22年12月17日判決があります。
「独禁法は,公正かつ自由な競争を促進し,事業者の創意を発揮させて事業活動を盛んにすることなどによって,一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的(1条)とし,事業者の競争的行動を制限する人為的制約の除去と事業者の自由な活動の保障を旨とするものである。
その趣旨にかんがみれば,本件行為が独禁法2条5項にいう「他の事業者の事業活動を排除」する行為(以下「排除行為」という。)に該当するか否かは,本件行為の単独かつ一方的な取引拒絶ないし廉売としての側面が,自らの市場支配力の形成,維持ないし強化という観点からみて正常な競争手段の範囲を逸脱するような人為性を有するものであり,競業者のFTTHサービス市場への参入を著しく困難にするなどの効果を持つものといえるか否かによって決すべきものである。」と判示しています。
不当な取引制限
カルテルや談合などです。
被害者が日本企業で、被害地が日本の場合、日本の独禁法が適用された事例もあります。
一方で、海外に進出している場合、現地の独禁法が適用される可能性があります。
不公正な取引方法
以下にあげるものは、公正な競争を阻害するおそれのあるものです。
(独禁法違反になる可能性があるものです。)
1。共同の取引拒絶
2。差別対価
3。不当廉売
4。再販価格の高速
5。優越的な地位の利用
6。排他条件付取引
7。拘束条件付取引
8。取引妨害
企業統合
企業結合によって、一定の取引分野における競争を実質的に制限することになる場合が該当します。
一定の取引分野をどのように画定するかが問題になります。
例えば、取引分野を自動車全体でみるか、軽自動車でみるかによって結果が変わってしまいます。
集中度については、ハーフィンダール指数(HHI)を用いたセーフハーバー基準が設けられています。
日本、アメリカ、欧州でHHIを用いた基準がありますが、基準値がそれぞれ異なっているので、注意が必要です。
特許権などは市場を独占するために取得するため、独禁法は発想が真逆で面白いです。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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