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商標の社会通念上同一の商標を示した事例(テディベアー事件)

鈴木康介

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テーマ:商標訴訟

プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。

不使用取消審判において、2段書きの登録商標が、そのうちの一方を使った商標と、社会通念上同一であると示された事例の紹介です。

日本では商標を実際に使っていなくても商標が登録できる登録主義を採用されています。

登録されても使われない商標が存在しますし、使われない商標がいつまでも残っていると、他の人の商標の選択肢が狭まってしまいます。

このため、日本国内で3年以上使用されていない商標を取り消す制度(不使用取消審判)があります。

不使用取消審判を訴えられた場合、商標権者はその登録商標をその指定商品(指定役務)に使用していることを証明します。

このとき、登録商標の使用の範囲は、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」とされています。

では、下の画像のような2段書きの商標が登録商標の時、

テディベアー1

下の画像のように文字のみの「TeddyBear」は、商標の使用と認められるでしょうか?

テディベアー2

判決では、
「一般に,商標は,取引の実情,商品の性質その他様 々な事情に応じて,変更を加えて使用する必要性が高く,そのような必要性 に対応するために,同条の解釈規定が設けられた趣旨に照らすならば,登録 商標と全く同一の商標に限定して解釈するのは相当でなく,登録商標が,観 念及び称呼を共通にする片仮名による表示と欧文字による表示を2段書きに した商標である場合に,欧文字部分のみからなる商標を使用したときも,特 段の事情のない限りは,当該登録商標と社会通念上同一の商標が使用された ものと評価されるべきである。」
「本件商標は,「テディベアー」及び「TEDDYBEA R」の文字を上下二段に横書きしてなり,観念及び称呼を共通にする片仮 名による表示と欧文字による表示を2段書きにした商標であるのに対し, 使用商標は,本件商標の欧文字部分を,「T」と「B」以外の文字を小文 字にして表示した点において相違があるものの,使用商標と本件商標は, 観念及び称呼を共通にするから,社会通念上同一と評価することを妨げる 特段の事情があるとは認められない。」
として、社会通念上同一であるとしました。

※画像は、下記判決より

平成20年(行ケ)第10014号 審決取消請求事件

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テディベアー2

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鈴木康介(弁理士)

プロシード国際特許商標事務所

国際特許事務所での業務を通じて、実践的な知識とネットワークを培ってきました。また、中国人と国際結婚したため、現地の生活習慣などを経験を通じて理解しています。

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