中国商標の類否判断6 「富士さくら」と「新富士」
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
中国商標権侵害事件の類否判断では、標章(マーク)自体の類似性のみを比較するだけでなく、
主観的意図、両者の共存と使用の歴史などの要素も総合的に考慮し、
関連市場の実際の状況に合わせて公平かつ合理的に判断することとされています。
(最高人民法院 2009 民三終字第3号民事判決)
この判旨は、ラコステが、クロコダイルを訴えた事件のものです。
両者ともにワニの標章を使っていましたが、
頭の向き、体型、ウロコ、色彩が異なっていましたし、
アジア地域では、共存して発展してきたという
歴史的な経緯があります。
このような事情を参酌し、非類似とされました。
なお、日本でも両ブランドの商標権侵害訴訟が行われたことがあり、
非類似という判決になっています。
ちなみに、日本の事案では、クロコダイルがラコステを訴えています。
(大阪地裁 昭和46年2月24日判決 昭和44年(ワ)第2333号)
日本の事案では、図形+文字の全体を比較し非類似としましたが、
中国の事案では、図形を比較して非類似としました。
国によって類否判断のロジックが異なるので注意が必要です。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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