中国で新たな表現規制が行われるようです。
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
上海智臻网络科技有限公司(智臻网络)が、アップルに対して、
Siriが専利権を侵害しているとして、以下の専利権で権利行使をしています。
第一財経(http://www.yicai.com/news/2012/07/1863950.html)などによりますと、
経緯は以下のようです。
-2004年8月13日 上海赢思软件技术有限公司が当該発明を専利出願、発明者の袁辉は、智臻网络の法定代表人
-2006年2月15日 出願書類が公告される
-2009年7月22日 当該発明に専利権が付与される。
-2011年12月14日 智臻网络が小i机器人语音助手Android版-v0.9883版の公開
-2012年1月13日 iPhone 4Sが中国マーケットで大々的に販売開始
その際に、Siriの機能説明がWebサイトに掲載されました。
-2012年4月28日 智臻网络は、iPhone4sのSiriを分析した結果、専利権侵害としました。
-2011年4月30日 智臻网络が小i机器人语音助手iPhone版-v1.0 beta版の公開
-2012年5月 智臻网络は、アップルに弁護士を通じて、交渉を持ちかけましたが、アップル社からの回答がありませんでした。
-2012年6月21日 智臻网络は、上海の法院に訴訟を提起しました。
-2012年6月26日 法院が訴状を受理し、現在調停の段階とのことです。
第一財経の記事などが正しいとすると、Siriの専利訴訟は、Proviewの事件とは関係なく、
発生した可能性が高いです。
智臻网络側から見たストーリーとしては、
1. 2004年頃から開発し、2011年末にAndroidでリリースした自社の音声アシスタントに似た技術をアップルが採用した。
(智臻网络側のサービス 小i机器人)
2.アップルからライセンス料を取ったり、アップルに採用された技術と宣伝材料にできる可能性が高いので、交渉を持ちかけた。
3.しかし、無視されたので訴訟を提起し、訴訟プロセスの中で交渉したい。
と言ったことでしょう。
いずれにしろ、アップルは、中国国内でも愛好者が多く、よく売れているので、目立つ存在です。
このため、中国企業からの知的財産権の権利行使の対象になりやすいのでしょう。
近年中国は、専利権、商標権が増加しているため、知財訴訟のリスクが高まっています。
進出する前に事前の調査が重要になってきます。
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<参考 訴訟に使われている専利権>
(請求項1のみ表示、実際には、請求項11まであります。)
お読み頂きありがとうございました。
弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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