中国商標 異議申立の期間
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
中国で先に商標をとった方が良いのですが、とられてしまった場合、以下のような方法があります。
1.他人の既存の権利を侵害する抜け駆け登録、他人がすでに使用している一定の影響力を有する商標の不正な手段による抜け駆け登録を理由とする異議申立・登録商標取消申立(中国商標法31条)
この場合、中国における既存の権利になります。アニメや漫画のキャラクターは、著作権があるので、主張しやすいですが、企業ロゴや企業名は中国国内で有名になっていないと難しいです。
2.欺瞞的な手段または不正手段による登録を理由とする登録商標取消申立(中国商標法41条1項)
この場合、冒認出願者の出願日前に中国での使用実績が求められます。
3.著名商標に基づく異議申立・登録商標取消申立(中国商標法13条)
この場合、対象となる商標が中国で著名になっている必要があります。このため、日本の有名ブランドであっても、中国で有名になってないと、使えません。
4.公序良俗違反を理由とする異議申立・登録商標取消申立(中国商標法10条1項8号)
地名、地理的表示、人名等の場合には、適用を検討しても良いでしょう。
5.無権限の代理人・代表者による冒認出願であることを理由とする異議申立・登録商標取消申立(中国商標法15条)
取次販売元請人などの代理人が冒認出願した場合には、適用を検討しても良いでしょう。
6.3年間不使用を理由とする登録商標取消申立(中国商標法44条4号)
使用の範囲が広く解釈されがちで、なんらかの使用の証拠が出されやすい点と、指定商品・指定役務しか取り消されないことに、注意が必要です。
7.識別力がないことを理由とする異議申立・登録商標取消申立(中国商標法11条)
自社の商品が中国で一般名称化しつつある場合などに、適用を検討しても良いでしょう。
8.粗製濫造・品質詐欺・消費者欺罔を理由とする登録商標取消申立(中国商標法45条)
冒認出願した商標が付された商品が、粗悪商品の場合などに、適用を検討しても良いでしょう。
9.公衆に知られた外国地名であることを理由とする異議申立・登録商標取消申立(中国商標法10条2項)
日本の都道府県が全て、中国で公衆に知られたに該当するわけではないため、立証が難しいです。
10.地理的表示であることを理由とする異議申立・登録商標取消申立(中国商標法16条)
9が認められなくても「ある商品がある地域を産地とし、当該商品の特定の品質、信望またはその他の特徴が主に同地域の自然的要素または人文的要素によって決定されていることを表す表示」と主張できる場合には、適用を検討しても良いでしょう。
11.反不正競争防止法違反であることを理由とする不正競争行為差止・損害賠償請求(反不正競争防止法5条、9条1項等)
異議申立などで主張してもあまり有効でないと言われています。
このように、中国では異議申立などのハードルが高いので、自社の商標を早めに出願しておいた方が、コストも時間も節約できることが多いです。
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