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プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
雪見大福は、後発メーカの知財戦略の教科書と言えると思います。
昔、ロッテはアイスクリームの分野では、後発メーカでした。
その当時、ロッテが、アイスクリーム市場に参入を試みようにも、先発メーカの壁が厚く、なかなか入り込むことができませんでした。
そこで、ロッテの開発チームは、日本人の好きな大福とアイスクリームを組み合わせることを思いつきました。
しかし、開発初期は、大福の部分が固くなり、食べられたものではありませんでした。
いろいろと試した結果、アミロベクチンでアイスクリームを包むことで、やわらかい食感を保つことができるとわかりました。
そして、その技術の特許出願を行い、その技術の保護を図りました。
案の定、雪見大福を発売したとたん、先発メーカを含む競合メーカが類似商品を出してきました。
しかし、特許権を取得したとたん、競合メーカは市場から去っていきました。
ロッテが行ったことを整理すると、
1.ロッテは、アイスクリームは夏の食べ物であるという固定観念をくずし、冬に食べるアイスクリームという新しいコンセプトを作りました。
(満たされていない市場ニーズを発見し、市場を創出しました)
2.ロッテは、冷凍しても凍らない皮を開発しました。
(その市場で、武器となる技術を開発しました。)
3.ロッテは、凍らない皮の技術を特許権で守りました。
(その市場で、武器となる技術を保護し、参入障壁を作りました。)
4.ロッテは、コンセプトに合った雪見大福というネーミングを行いました。
(ブランドを商標権で守りつつ、ブランドイメージを向上させました。)
5.ロッテが、雪見大福のブランドイメージを高めたので、現在では、雪見大福の特許権が切れていますが、不正競争防止法で保護されています。
(ブランドイメージを高めた結果、他社の不正なただ乗りを防げるようになりました。)
このように、ロッテが雪見大福で行ったことは、後発メーカが成功するための秘訣が詰まっていると思います。
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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