コラム
自律神経の治し方
2020年2月26日 公開 / 2021年3月1日更新
皆さんこんにちは。
季節の変わり目は、体調を崩す方が増える時期です。昔から「草木の芽吹き時」と言って、気持ちが落ち着かなくなります。健康な方はとても気持ちが良い時期なのですが。
病は気から、と言いまして、気は私たちの体の全身を回り、元気を与え、風邪から身を守り、寿命を長くします。よって、気を病むと病気になってしまうのです。今私たち日本は、一億総うつ時代とも言われ、多くの方が気を病んでいます。自分自身の体調への不安、仕事の人間関係、家族との問題、寂しさとの戦い、大切な人の体の心配、将来の不安、ペットの病気、そして幸せを失うことへの取り越し苦労。人それぞれです。
ただ、ネガティブな心は、実は私たちの種を残す大切な行動なのです。心配する心があるために私たちは危ないことに気をつけ、無茶をしないようにできているのです。しかし行き過ぎは良くないですね。わかってはいるのですが、いざ自分の事となると難しいもので、必要以上に考えてしまいます。そして、何かしらの変調が体に出始めます。早口になる、頭痛、痛み、息苦しさ、緊張、めまい、不眠、落ち着かない、等等。
この時私たちの身体には、どの様な異変が起きているのでしょうか。緊張すると肩が凝るのは皆さんも経験があると思います。これは、無意識のうちに筋肉が縮むから凝るのです。ストレスフルな状態は、身体が戦闘態勢となり、血液が筋肉の方に偏り、胃腸は動かなくなります。
話は少し変わりますが、漢方の勉強会で、漢方生薬の芍薬(しゃくやく)のことについて調べているときにあることに気がついたのです。芍薬は、「立てば芍薬、座れば牡丹・・」の芍薬の花の根っ子。甘草とペアーを組むと緊張を緩めます。この芍薬甘草湯は、よくゴルフの時の足のつりに使われますが、腹痛、生理痛などの内臓の痛みをとる特効薬なのです。
この芍薬を使った漢方薬を、自律神経が乱れている方に応用できないか、そう考えたのです。内臓の筋肉を緩めると、血液が筋肉から内臓に戻り、胃腸が動き出し、戦闘態勢による緊張がほぐれると言うことです。食後にリラックスして、眠くなることと同じです。まだまだこの研究は、漢方の専門雑誌に投稿したばかりでこれからがスタートですが、多くの悩んでいる方に少しでも早くお役に立ちたいと思っています。「温故知新」、漢方医学を含め、昔の方を学ぶことは、新しい発見に繋がって行きます。この医学の素晴らしさを多くの方に知って頂きたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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