体脂肪と不妊の関係
今回のご相談者は38才の女性。結婚した当初から、赤ちゃんが欲しいと思っていましたが、なかなか妊娠せず、35才から不妊治療を始めました。
タイミング法からスタートして人工授精を5回、体外受精を3回ほど試みましたが、妊娠しませんでした。少しやせ型で、色は白く、冷え性。精神的に不安定になりやすく、「イライラする」「落ち
込んでくよくよ悩む」ことが多く、20代のころには仕事のストレスでうつ病をわずらい、精神安定剤を服用していたこともあったそうです。月経周期は30日で問題はなく、体温は、低温期は36.1~3度、高温期は36.5~7度とやや低め。月経前には寝汗が出る、イライラしやすくなって夜も眠れなくなる、
そのほか、肩こりや疲労感もあると訴えます。
そこでまず、漢方薬の柴胡桂枝乾姜湯を処方しました。漢方薬を飲んでしばらくすると肩こり、イライラ、疲労感が改善していき、夜もよく眠れるようになってきたといい
ます。
2カ月後、柴胡桂枝乾姜湯と当帰芍薬散とを1日おきに交互に服用してもらうようにしました。すると冷え性も改善し、高温期は36・7~9度と体温もアップ。漢方薬を飲み始めて約1年後、自然妊娠されたため、漢方薬を芎帰膠艾湯にかえました。その後、おなかの赤ちゃんも順調に成長し、無事にご出産されました。
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
自律神経を安定させる効果があり、排卵障害、月経不順などに
<こんなかたに処方されます>
●イライラしやすい●夜ぐっすりと眠れない
●よく寝汗をかく不安感が強い
●取り越し苦労が多い冷え性
●疲れやすい