休むのが怖いのはなぜ? ― 立ち止まると不安になる心の奥で、何が起きているのだろう ―

内田梓

内田梓

テーマ:優しく生きる

休むのが怖いのはなぜ?
― 立ち止まると不安になる心の奥で、何が起きているのだろう ―

「休んだほうがいいのは分かっているのに、休めない」
「何もしない時間があると、逆に不安になる」
「休むと、置いていかれそうで怖い」

そんな感覚を、あなたは抱えたことがありませんか。

疲れている。限界に近い。
それでも、立ち止まることにブレーキがかかってしまう。

それは、あなたが怠け者だからでも、意志が弱いからでもありません。
休むことが「危険」だと、どこかで学んできた心の反応なのです。

ここでは、
「休むのが怖い」という感覚の正体を、
責めることなく、やさしくほどいていきます。

1. 休むのが怖いのは、あなたが真面目に生きてきた証

まず知ってほしいことがあります。

休むのが怖い人は、たいてい、とても一生懸命に生きてきた人です。

・期待に応えようとしてきた
・役割を果たそうとしてきた
・止まらずに頑張ることで、自分を保ってきた

そうやって走り続けてきた人ほど、
「止まる=崩れる」「休む=価値が下がる」
そんな感覚を、無意識に抱えてしまいます。

休むのが怖いのは、
それだけ“止まれない事情”を抱えながら生きてきたということでもあるのです。

2. 休むと不安になるとき、心の中で起きていること

休もうとした瞬間、
なぜか落ち着かなくなったり、
罪悪感が湧いてきたり、
「何かしなきゃ」と焦り出したりする。

そのとき、心の中ではこんな声が動いていることがあります。

「今、休んでいる場合じゃない」
「もっと頑張らないとダメだ」
「休んだら評価が下がる」
「役に立たなくなるかもしれない」

これらは、あなたを追い詰めるための声ではなく、
これまであなたを守ってきた“緊張のスイッチ”です。

過去のどこかで、
休めなかった経験、立ち止まれなかった状況があり、
「止まらないこと=安全」という回路ができあがったのです。

3. 「休む=何もできない自分になる」という誤解

休むことに恐れを感じる人ほど、
こんなイメージを無意識に持っていることがあります。

・休んだら、戻れなくなるのでは
・休んだら、怠けてしまうのでは
・休んだら、価値のない自分になるのでは

けれど本当は、
休むことと、ダメになることは、まったく別のものです。

身体も心も、休むことで整い、
整うからこそ、また動けるようになります。

休みは「停止」ではなく、
回復と再調整の時間なのです。

4. 休めなかった過去が、今のあなたを縛っていることもある

もしあなたが、

弱音を吐けない環境にいた
休むと責められた経験がある
頑張ることでしか認められなかった
誰かを支える立場が長かった

そんな背景を持っているなら、
休むことが怖くなるのは、とても自然なことです。

その頃のあなたにとって、
休むことは「許されないこと」だったかもしれません。

でも今は、環境も立場も変わっています。
過去のルールを、今の自分にそのまま当てはめ続ける必要はないのです。

5. 休むことは、自分を裏切ることではない

休むとき、
「頑張ってきた自分を裏切っている気がする」
そう感じる人もいます。

でも実は、休むことは真逆です。

休むことは、これまで頑張ってきた自分を大切に扱う行為です。

ずっと走り続けてきた人にこそ、
「もう少し、ゆっくりでいいよ」と声をかけてあげる必要があります。

6. 休むのが怖いときにできる、小さな関わり直し

いきなり「ちゃんと休もう」としなくて大丈夫です。
怖さがあるまま、少しずつでいいのです。

① 「休む」ではなく「ゆるめる」と考えてみる

完全に止まるのではなく、
スピードを少し落とすだけでも、心は安心しやすくなります。

② 休みながら不安になる自分を否定しない

不安が出てきたら、
「怖いよね」「今まで頑張ってきたもんね」と、
そっと心の中で声をかけてみてください。

③ 休んでいる自分を“観察”する

評価せず、改善しようとせず、
ただ「今、休んでいる私がいる」と見てあげる。

④ 休む理由を正当化しなくていい

疲れているから、何となくしんどいから。
それだけで、十分です。

⑤ 誰かと一緒に「休む感覚」を育てる

一人で休むのが怖いときは、
安心できる誰かと一緒に、少しずつ。

7. 休めるようになると、心に起きる変化
常に張りつめていた緊張がほどける
自分の疲れに早く気づける
無理をする前に立ち止まれる
「ちゃんとしなきゃ」が弱まる
安心して動ける感覚が戻る

休めるようになることは、
弱くなることではなく、しなやかになることです。

8. やさしいQ&A ― 休むのが怖いあなたへ
Q1:休むと、何もできなくなりそうで怖いです。

そう感じるのは、これまで「止まらないことで自分を保ってきた」からかもしれません。
休むと不安になるのは、あなたが怠け者だからではなく、
それだけ頑張り続けてきた証です。
少しずつ、短い時間から休む練習をしていくことで、
「休んでも大丈夫」という感覚は、ゆっくり育っていきます。

Q2:休むと罪悪感が出てきます。

罪悪感は、あなたが責任感の強い人であることを示しています。
でも、責任を果たすことと、自分を消耗させることは同じではありません。
休むことは、長く続けるための大切な選択でもあります。

Q3:休んでいると、頭がうるさくなります。

急に静かになると、今まで押し込めていた思考が出てくることがあります。
それは異常ではなく、自然な反応です。
無理に消そうとせず、「そう思っているんだね」と見守るだけで十分です。

Q4:休みたいのに、休む勇気が出ません。

休むには、実は“勇気”がいります。
それだけ、あなたは真剣に生きてきたということ。
勇気が出ない日は、休まなくてもいいので、
「休みたいと思っている自分」に気づいてあげてください。

Q5:休むと、周りに置いていかれそうで不安です。

置いていかれる不安の奥には、
「頑張らないと価値がない」という思い込みが隠れていることがあります。
でもあなたの価値は、走り続けていなくても、ちゃんとそこにあります。

9. カウンセリングでできること
― 安心して休める心を取り戻すために ―

Amazing Grace のカウンセリングでは、
「休むのが怖い」という感覚を、無理に変えようとはしません。

なぜ怖くなったのか、
どんな背景があったのかを、
一緒に、ゆっくり見つめていきます。

休むことへの罪悪感が減った
身体の疲れに早く気づけるようになった
安心して立ち止まれるようになった
「ちゃんとしなきゃ」が弱まった

カウンセリングは、
休めなかったあなたを責める場所ではなく、
これからの休み方を一緒に探す場所です。

10. 最後に ― あなたへ

休むのが怖いあなたは、
それだけ、必死に生きてきた人です。

止まれなかった過去があっても、
これからは、少しずつで大丈夫。

休むことは、人生から降りることではありません。
自分の人生に、もう一度ちゃんと戻ってくることです。

その一歩を、一人で踏み出すのがつらいときは、
Amazing Grace は、いつでもあなたのそばにいます。

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内田梓
専門家

内田梓(メンタルヘルスカウンセラー)

Amazing Grace

発達障害、摂食障害、不登校から「やりたいことや気持ちをコントロールできない」といった悩みを抱える方まで、幅広いカウンセリング実績を持つ。数々の現場や理論で深めてきたカウンセリング術に定評がある。

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