SNSをやっているのに成果が出ない会社の共通点【SNS成果が出ない会社の構造1】

これまでこの連載では、
・「いいね」と「売上」は別物であること
・刺さらない発信の背景には対象の曖昧さがあること
・社長の言葉が社内で共有されなければ発信も機能しないこと
・担当者への丸投げが発信を弱くすること
・コンセプト不在の発信は疲弊を生むこと
・成果が出る会社と出ない会社の構造的な違い
・SNSと営業の断絶問題
について見てきました。
今回は、このシリーズの終盤にふさわしいテーマです。
それは、
なぜ発信が続く会社と、続かない会社があるのか
という問題です。
SNSの相談を受ける企業の多くは、
「続かない」
という課題を抱えています。
最初は勢いよく始まる。
投稿計画も作る。
担当者も決める。
しかし半年後には更新頻度が落ち、
一年後には事実上停止している。
これは決して珍しいことではありません。
むしろ、多くの企業で見られる現象です。
一方で、
特別な担当者がいるわけでもない。
大きな予算をかけているわけでもない。
それでも何年も自然に発信を続けている会社があります。
この違いはどこから生まれるのでしょうか。
私は、その差を生むのは
SNSを「業務」と捉えているか、「文化」と捉えているか
だと考えています。
業務としてのSNSは、
やらなければならない仕事です。
更新する。
写真を撮る。
文章を書く。
担当者にとってはタスクになります。
当然ながら、忙しくなれば後回しになります。
他の業務が優先されます。
担当者が異動すれば止まります。
退職すれば途切れます。
なぜなら、
その発信は「その人の仕事」だからです。
一方で、
文化としてのSNSは少し違います。
発信することが特別な業務ではなく、
会社の当たり前になっています。
顧客との出来事を共有する。
改善活動を記録する。
社員の成長を伝える。
地域との関わりを発信する。
それらが日常の延長線上にあります。
だから続きます。
担当者が変わっても続きます。
なぜなら、
発信が個人の仕事ではなく、
会社の価値観そのものになっているからです。
ここで重要なのは、
文化は命令では作れない
ということです。
「もっとSNSを頑張れ」
と言っても文化にはなりません。
むしろ逆です。
発信を通じて、
自分たちの仕事の価値を再発見できる。
顧客とのつながりを実感できる。
仲間の頑張りを共有できる。
そうした体験が積み重なった結果として、
文化になっていきます。
考えてみれば、
本来のSNSとはそういうものだったはずです。
企業が情報を一方的に発信する場ではなく、
人と人がつながる場。
会社と顧客が関係を築く場。
そこに立ち返ることが重要です。
そしてもう一つ、
文化としての発信を支える大切な要素があります。
それは、
「完璧を求めないこと」
です。
発信が続かない会社ほど、
良い投稿を作ろうとします。
完成度を求めます。
失敗を恐れます。
結果として、
投稿できなくなります。
一方で続いている会社は、
完璧を目指していません。
日々の出来事を共有する。
感じたことを伝える。
顧客との関係を記録する。
その積み重ねを大切にしています。
だから続くのです。
私は経営支援の現場で、
「SNSを頑張りましょう」
とはあまり言いません。
その代わり、
「会社の価値を共有する習慣を作りましょう」
とお伝えします。
その結果としてSNSがある。
この順番が大切なのです。
発信が続く会社は、
SNSを運用しているのではありません。
自社の価値を語り続けているのです。
そして、それが文化になったとき、
SNSは単なる集客ツールではなく、
企業の資産へと変わっていきます。
次回はいよいよ最終回です。
テーマは、
「SNSはやるべきか、やめるべきか」
です。
ここまで構造の観点からSNSを見てきました。
最後に、経営者として本当に考えるべき問いに向き合いたいと思います。
SNSは本当に必要なのか。
そして、どのような会社が取り組むべきなのか。
このシリーズの総まとめとして、お話ししたいと思います。


