ターゲットを決める前にやるべき、たった一つのこと【女性のためのマイクロビジネス設計論3/10】

「毎日投稿しているんですけど、反応がなくて…」
「フォロワーは増えてきたんですが、売上にはつながらなくて…」
「外注しているのに、正直、何が良くなっているのか分からないんです」
これは、実際に私が経営者の方々から頻繁に受ける相談です。
そして、その多くのケースにおいて、共通していることがあります。
それは──
“ちゃんとやっている”ということです。
むしろ、かなり真面目に取り組んでいる。
時間もかけているし、努力もしている。
にもかかわらず、成果が出ない。
このとき、多くの方はこう考えます。
「やり方が悪いのではないか」
「もっと投稿頻度を上げた方がいいのではないか」
「今の時代は動画なのではないか」
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
それは、
問題を“やり方”のせいにしてしまうことです。
私は経営コンサルタントとして、これまで数多くの企業の現場に入り、組織・営業・マーケティングの構造を見てきました。その中で断言できるのは、
SNSがうまくいかない原因のほとんどは、
“やり方”ではなく“構造”にある
ということです。
たとえば、こんな状態になっていないでしょうか。
社長は「発信が大事だ」と考えているが、何を発信したいのかが言語化されていない。
担当者は投稿を続けているが、会社の方向性との接続がない。
外注先は“それっぽい投稿”を作っているが、事業の本質を理解していない。
このような状態で、いくら投稿頻度を上げても、
いくら見栄えの良いコンテンツを作っても、
成果にはつながりません。
なぜなら、それは
「誰のために、何を伝え、どこにつなげるのか」
という最も重要な設計が、存在していないからです。
SNSとは、本来、単なる発信ツールではありません。
それは、企業の価値を言語化し、届け、関係性を築き、最終的に事業へと接続するための“経営の一部”です。
にもかかわらず、多くの企業では、SNSだけが切り離され、
「とりあえずやるもの」になってしまっています。
ここに、すべてのズレが生まれます。
私はよく、経営の話をする際に
「経(けい)」と「営(えい)」
という言葉で整理します。
「経」とは、変わらない軸──理念や価値観、存在意義。
「営」とは、環境に適応する手段──戦略や施策、実行。
SNSは明らかに「営」の領域に見えます。
しかし実際には、「経」が曖昧な状態では、「営」は機能しません。
つまり、
理念が言語化されていない会社は、発信が定まらない
価値が定義されていない会社は、誰にも刺さらない
事業構造が整理されていない会社は、売上につながらない
ということです。
これは、SNSに限った話ではありません。
営業でも、採用でも、組織でも、同じことが起きています。
ただ、SNSはそれが“可視化されやすい”だけなのです。
反応がない。
続かない。
成果が出ない。
そのすべては、実は会社の内部構造を映し出しています。
厳しい言い方をすれば、SNSがうまくいっていない会社は、
SNSが問題なのではなく、経営そのものが整理されていない可能性が高い。
しかし、これは悲観する話ではありません。
むしろ逆です。
SNSの問題を入り口に、経営の構造を見直すことができれば、
それは単なる「運用改善」ではなく、会社全体の進化につながります。
このシリーズでは、SNSが機能しない原因を、
表面的なテクニックではなく「構造」の観点から一つずつ解き明かしていきます。
「なぜ、いいねはつくのに売上につながらないのか」
「なぜ、投稿しているのに誰にも刺さらないのか」
「なぜ、担当者任せにすると崩壊するのか」
そうした問いに対して、経営の言葉で答えていきます。
もし今、あなたの会社が
「頑張っているのに成果が出ない」
という状態にあるとしたら、
それは努力が足りないのではなく、
“構造がまだ整っていないだけ”かもしれません。
次回は、よくある誤解のひとつである
「いいね」と「売上」の関係について、もう少し踏み込んでいきます。
そこには、多くの企業が無意識に陥っている、
非常に根深い“勘違い”が存在しています。


