SNSをやっているのに成果が出ない会社の共通点【SNS成果が出ない会社の構造1】

ここまでの連載では、
・「いいね」と「売上」は別物であること
・誰にも刺さらない発信の背景にはターゲットの曖昧さがあること
・社長の言葉が社内で共有されていないと発信も機能しないこと
・SNS担当者への丸投げが発信を弱くすること
・コンセプト不在の発信は疲弊を生むこと
についてお話ししてきました。
今回は少し視点を変えて、
実際にSNSで成果を出している会社は何が違うのか
を考えてみたいと思います。
もちろん、業種も規模も市場も異なりますから、成功企業の投稿内容をそのまま真似しても意味はありません。
しかし、その背景にある構造には、驚くほど共通点があります。
私は経営支援の現場で、SNSが機能している企業と、そうでない企業の両方を数多く見てきました。
その経験から言えることは、
成功している会社は「SNSが上手い」のではなく、
経営と発信がつながっている
ということです。
一方で、成果が出ない会社は、
経営と発信が分離しています。
例えば、ある会社では、
経営会議で話している内容と、SNSで発信している内容がほぼ一致しています。
顧客の課題は何か。
自社はどのような価値を提供するのか。
どのような未来を実現したいのか。
その議論がそのまま発信の素材になります。
だから発信に一貫性があります。
社員も理解しています。
顧客にも伝わります。
結果として信頼が積み重なっていきます。
一方で、成果が出ない会社では、
経営会議で話していることと、SNSで発信していることが別世界です。
会議では、
採用の悩み
利益率の課題
顧客との関係性
について真剣に議論しているのに、
SNSでは、
「今日も頑張っています!」
「社内の様子です!」
といった投稿ばかりが並ぶ。
もちろん、そのような投稿が悪いわけではありません。
しかし、それだけでは会社の価値は伝わりません。
発信と経営が接続されていないからです。
ここで、多くの方が勘違いしていることがあります。
それは、
成功している会社は「ネタが豊富」なのではないか
という考えです。
実際には逆です。
成功している会社ほど、
特別なネタを探していません。
なぜなら、
日々の仕事そのものが発信の材料になっているからです。
顧客との会話。
改善活動。
商品開発。
社員教育。
そこにある課題や工夫や想いを言語化しているだけです。
つまり、
発信のネタを探しているのではなく、
日常の価値を発見している
のです。
これもまた、構造の違いです。
さらにもう一つ、大きな違いがあります。
それは、
成果が出ている会社は、SNSを目的にしていない
ということです。
SNSそのものを成功させようとしているのではありません。
あくまで、
顧客との関係づくり
採用活動
ブランド形成
信頼構築
といった経営目的を実現する手段として活用しています。
だから、
フォロワー数だけに一喜一憂しません。
投稿一本の反応だけで評価しません。
長期的な視点で積み上げていきます。
一方で、成果が出ない会社ほど、
SNSそのものが目的になりがちです。
フォロワーを増やしたい。
再生回数を伸ばしたい。
いいねを増やしたい。
もちろん、それらも大切な指標です。
しかし、それは目的ではなく結果です。
結果を追いかけると、本来の目的を見失います。
ここまで見てくると、
成功している会社とそうでない会社の違いは、
実は投稿テクニックではないことが分かります。
発信の前提となる構造が整っているかどうか。
それが決定的な差なのです。
経営の方向性が明確である。
価値が言語化されている。
社員と共有されている。
顧客との接点が整理されている。
その結果として、SNSが機能している。
これが本来の順番です。
逆に言えば、
SNSだけを改善しようとしても限界があります。
成果が出ない理由は、投稿方法ではなく、経営構造の中にあることが少なくありません。
次回は、
SNSと営業の断絶問題
について考えていきます。
発信は頑張っているのに問い合わせにつながらない。
見込み客との接点はあるのに受注につながらない。
その背景には、多くの企業が見落としている「営業との分断」が存在しています。


