SNSをやっているのに成果が出ない会社の共通点【SNS成果が出ない会社の構造1】

「発信は続けているんです」
「内容もそれなりに考えています」
「でも、反応が薄いんです」
この相談も、非常によくあります。
そして、このときの投稿を実際に見せていただくと、
多くの場合、ある共通点があります。
それは──
“誰に向けて書かれているのか分からない”
ということです。
文章としては整っている。
言っていることも間違っていない。
むしろ、きれいにまとまっている。
しかし、読んだ側としてはこう感じます。
「で、これは誰のための話なんだろう」
結果として、強い反応は生まれません。
ここで重要なのは、
“良いことを書いているかどうか”と、
“誰かに刺さるかどうか”は、まったく別問題である
という点です。
SNSにおいて「刺さる」とは、
誰かの状況や感情、課題に対して、
ピンポイントで重なること
を意味します。
つまり、刺さる発信とは、
必然的に“対象が絞られている”のです。
しかし、多くの企業はここで逆のことをしてしまいます。
「できるだけ多くの人に届けたい」
「誰にでも当てはまる内容にしたい」
この発想で発信を作ると、どうなるか。
結果はシンプルです。
誰にも強く届かない発信が出来上がる
なぜなら、
誰にでも当てはまる話は、
誰の問題も解決しないからです。
たとえば、
「仕事を頑張りましょう」
「前向きに取り組むことが大切です」
こうした言葉は、正しいかもしれません。
しかし、それを読んで「自分のことだ」と感じる人はほとんどいません。
一方で、
「売上はあるのに資金繰りに不安を感じている経営者へ」
「SNSを頑張っているのに、何を発信すればいいか分からなくなっている方へ」
このように対象が明確になると、
その人にとっては一気に“自分ごと”になります。
ここに、「刺さる・刺さらない」の分岐があります。
では、なぜ企業は対象を絞れないのでしょうか。
理由はいくつかありますが、最も大きいのは
「自社の価値が明確になっていない」
という点です。
誰に、どのような価値を提供しているのか。
どのような課題を解決する存在なのか。
これが曖昧なままでは、
発信の対象も定まりません。
結果として、
「とりあえず誰にでも役立ちそうなことを書く」
という状態になります。
そして、それは誰にも刺さらない。
ここで重要なのは、
ターゲット設定は“マーケティングのテクニック”ではなく、
“経営の定義”である
ということです。
誰に価値を提供するのか。
どの市場で戦うのか。
何を強みとしているのか。
これらが定まって初めて、
発信の軸も定まります。
つまり、
刺さらない投稿の問題は、投稿の問題ではなく、
経営の定義の問題なのです。
もう一つ、よくある誤解があります。
それは、
「ターゲットを絞ると、届く人が減ってしまうのではないか」
という不安です。
しかし実際には、逆です。
対象が明確な発信は、
その対象に強く届き、結果として拡散もされやすくなります。
なぜなら、
「これは自分のことだ」と感じた人は、
それを誰かに共有したくなるからです。
曖昧な発信は、静かに流れていきます。
明確な発信は、誰かの中に残ります。
この違いが、積み重なっていきます。
SNSにおいて重要なのは、
“広く浅く届けること”ではなく、
“深く届く相手を明確にすること”
です。
そして、そのためには、
自社が誰に価値を提供しているのかを、
改めて見つめ直す必要があります。
次回は、
社長の言葉が、なぜ社員に届かないのか
というテーマに進みます。
ここには、SNSに限らず、
組織全体に影響する“言語のズレ”という問題が潜んでいます。


