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3C分析で見落とされる最も重要な視点【経営者のためのフレームワーク活用術3】

橋本貢

橋本貢

テーマ:経営者のためのフレームワーク活用術


3C分析は、経営やマーケティングを学ぶと比較的早い段階で登場するフレームワークです。

Customer(顧客)

Competitor(競合)

Company(自社)

この3つの視点から事業環境を整理し、自社がどこで勝負すべきかを考えるためのものです。

非常に優れたフレームワークであり、現在でも多くの企業で活用されています。

実際、私自身も経営支援の現場で頻繁に活用しています。

しかし同時に、

「3C分析だけでは見えないものがある」

とも感じています。

それは、

経営者自身の存在です。

3C分析は正しい

まず誤解のないように申し上げます。

3C分析そのものに問題があるわけではありません。

顧客を理解する。

競合を理解する。

自社を理解する。

経営を考えるうえで極めて重要です。

むしろ、この3つを考えずに事業を進める方が危険でしょう。

どのような顧客がいるのか。

どのようなニーズがあるのか。

競合はどのような戦略を取っているのか。

自社にはどのような強みがあるのか。

こうした分析は必要不可欠です。

しかし実際の経営現場では、

分析結果だけでは説明できない意思決定が数多く存在します。

なぜあの社長はその事業を続けるのか

私はこれまで、多くの経営者とお会いしてきました。

その中には、

利益率が低いにもかかわらず続けている事業

手間がかかるにもかかわらずやめないサービス

採算だけを考えれば撤退した方が良いように見える取り組み

を持っている会社も少なくありません。

数字だけを見れば合理的ではありません。

3C分析だけで考えれば、

「やめた方が良い」

という結論になることもあります。

しかし、その事業には経営者自身の思いが込められていることがあります。

創業時から支えてくれた顧客。

地域への恩返し。

技術者としての誇り。

家業として受け継いだ歴史。

社員との約束。

こうしたものは、

Customerにも

Competitorにも

Companyにも

完全には表れません。

しかし経営判断には大きな影響を与えています。

経営は数学ではない

経営を学び始めると、

正解があるような気がしてきます。

市場規模を調べる。

競合分析をする。

収益性を計算する。

すると、

最も合理的な答えが導けるように思えます。

しかし現実の経営は違います。

経営は数学ではありません。

同じ条件を与えられても、

異なる経営者は異なる決断をします。

ある経営者は挑戦を選びます。

ある経営者は守りを選びます。

ある経営者は利益を優先します。

ある経営者は地域貢献を優先します。

どちらが正しいとも言えません。

なぜなら、

経営とは価値観の表現だからです。

顧客を見すぎる危険

3C分析では顧客理解が重視されます。

もちろん重要です。

しかし、

顧客の声だけを追い続けると危険な場合があります。

顧客は、

「もっと安くしてほしい」

と言います。

「もっと早くしてほしい」

と言います。

「もっとサービスを増やしてほしい」

と言います。

それにすべて応え続けた結果、

利益がなくなってしまう会社もあります。

顧客満足は高い。

しかし経営は苦しい。

そんな会社を私は何社も見てきました。

顧客を見ることは大切です。

しかし、

顧客の要望と経営者の理念のバランスを取ることも同じくらい重要なのです。

競合を見すぎる危険

競合分析も同様です。

競合を研究することは大切です。

しかし、

競合ばかり見ていると、

いつの間にか自社らしさを失います。

競合がSNSを始めたから始める。

競合が値下げしたから値下げする。

競合が新サービスを始めたから真似をする。

これでは、

経営の主導権を競合に握られているのと同じです。

競合を見ることは重要です。

しかし、

競合以上に見るべきものがあります。

それは、

自社が何者なのか

という問いです。

自社分析にも限界がある

ではCompany(自社)を分析すれば良いのでしょうか。

実はここにも限界があります。

なぜなら、

会社は人格を持たないからです。

理念を作るのも、

事業を選ぶのも、

採用を決めるのも、

最終的には経営者だからです。

会社という存在の背後には、

必ず経営者がいます。

経営者が何を信じているのか。

何を大切にしているのか。

何を残したいと思っているのか。

そこを無視して会社だけを分析しても、

本当の経営は見えてきません。

私は4つ目のCを加えたい

だから私は、

現場で3C分析を使うとき、

心の中で4つ目のCを加えています。

Customer

Competitor

Company

そして、

CEO

です。

社長。

あるいは経営者本人です。

顧客を理解する。

競合を理解する。

自社を理解する。

そして、

経営者自身を理解する。

何のためにこの事業をしているのか。

どんな未来をつくりたいのか。

何を守りたいのか。

何を変えたいのか。

これが見えて初めて、

分析が意思決定につながります。

経営者自身が最大の経営資源

私はこれまで、

業績が厳しい会社が復活する場面を何度も見てきました。

そのとき変わるのは、

設備ではありません。

商品でもありません。

組織でもありません。

最初に変わるのは、

経営者の視点です。

見ている景色が変わる。

問いが変わる。

意思決定が変わる。

すると組織が変わり始めます。

つまり、

経営者自身が最大の経営資源なのです。

だからこそ、

3C分析を行うときには、

ぜひもう一つ問いを加えてみてください。

「私は、本当は何を実現したいのだろうか」

この問いがなければ、

分析はただの資料作りになります。

この問いがあれば、

分析は未来をつくるための道具になります。

次回は、

競争戦略論の代表的なフレームワークである

「5フォース分析」

を取り上げます。

競争相手とは誰なのか。

本当に戦うべき相手は競合企業なのか。

実は、多くの経営者が見落としている「本当の競争相手」が存在します。

次回はその視点について考えてみたいと思います。

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橋本貢
専門家

橋本貢(経営コンサルタント)

しずおか経営サポート

表面的な課題ではなく、売上・組織・戦略の根本構造を見極め、本質的な打ち手を実行まで伴走支援します。経営者の意思決定に寄り添い、成果に直結する改善を行います。

橋本貢プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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