「戦略」が現場に落ちない理由【コンサルの視点11】

組織文化は、気づかないうちに変わっていきます。
意図して壊そうとする人はいません。
それでも、ある時ふと
「以前とは雰囲気が違う」
「何か噛み合っていない」
そんな違和感が生まれることがあります。
組織文化は、一つの出来事で壊れるものではありません。
むしろ、小さなズレの積み重ねによって、
少しずつ形を変えていきます。
例えば、
以前は当たり前だったことが、
誰も口にしなくなる。
判断に迷ったときに、
立ち返る基準が使われなくなる。
そうした変化が、静かに進んでいきます。
もう一つは、「例外」の扱いです。
本来の方針とは違う判断が、
その場の事情で許容される。
それ自体は必要なこともありますが、
説明されないまま繰り返されると、
「何が正しいのか」が分からなくなります。
さらに、経営者の言葉と行動が揃っていない場合も、
文化は揺らぎます。
言っていることと、実際に評価されていることが違う。
大事にしていると言いながら、別のものが優先されている。
こうした状態が続くと、
組織は「本音のルール」を読み取ろうとします。
表に出ている言葉ではなく、
実際に起きていることを基準に動き始めるのです。
その結果、もともとあった文化とは違う方向に進んでいきます。
では、どうすればいいのか。
まず必要なのは、
文化は自然に保たれるものではない、という前提です。
放っておけば維持されるものではなく、
日々の判断や行動の積み重ねで形づくられていきます。
そのうえで、
・何を大切にするのかを言葉にする
・その言葉を判断に使う
・例外を説明する
こうしたことを丁寧に続けることが重要です。
特別なことではありませんが、
これを怠ると、文化は静かに変わっていきます。
組織文化は、見えにくいものです。
だからこそ、違和感が出てきたときは、
何が変わり始めているのかを見つめ直す。
その積み重ねが、
文化を守ることにも、育てることにもつながっていきます。


