漢方薬と民間薬にみられる違いとは
【頭痛と漢方薬】
頭痛には、脳の病気(脳腫瘍・脳梗塞等)からくるもの、貧血からくるもの、のぼせからくるもの、片頭痛などさまざまです。漢方では、頭痛の種類よりも、その症状と体質によって薬を使い分けていきます。例えば、発作時に嘔吐し、手足が冷たくなる人は呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を使ったり、生理前に顔が真っ赤にのぼせて便秘になり、頭痛がする人には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)を使ったりします。
【神経痛と漢方薬】
よくある神経痛には、三叉神経痛・上腕神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛などがあります。漢方では、体質や症状によって薬を使い分けていきます。例えば、手足が冷えやすく、肩がこる人には桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を使ったり、のどが渇いて、夜間頻尿がある人には八味丸(はちみがん)を使ったりします。
【椎間板ヘルニアと漢方薬】
何らかの原因で椎間板が突出し、神経を圧迫して痛みを引き起こしますが、漢方では、お腹や腰まわりの筋肉を柔らかくして、椎間板の突出をやわらげます。手足が冷えやすく、お腹の筋肉がつっぱている人には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)を使用します。
【ひざの痛みと漢方薬】
ひざの痛みは、加齢とともに、ひざとひざの間にある軟骨がすりへり、起こります。漢方では、ひざの血行をよくして、痛みを改善していきます。よく使用する漢方薬は、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)です。