骨を刺激し、腕を大きく回す
胸に手を当てて呼吸してみる
気持ちを落ち着かせるとき、腹式呼吸をするといい という話は聞いたことがありますか?ストレスなどで 体が緊張し、交感神経が優位になっていると自律神経 がバランスを崩し、心臓のリズムが不安定になります。 自律神経は自動運転のように内臓を動かしていますが、 逆に意識して内臓を動かすことはできません。でも、 呼吸だけは自分でコントロールすることができます。 緊張している時は呼吸が浅くなっているので、鼻から 息を吸う時間より、長い時間口から息を吐くようにし て腹式呼吸をしてください。だんだん副交感神経が働き、 リラックスしてきます。苦しくなってしまうという方は、 息を吸った後少し息を止めると楽にできると思います。 息を吸う時におなかをふくらますことができたら、次 は手を胸に当てて、胸に意識を集中し、呼吸している 時に空気が流れていることを感じます。すると心臓の リズムがより安定しやすくなっていきます。心臓のリ ズムが安定すると自律神経も安定し、より気持ちも落 ち着いていきます。
宮を守る
これを、ツボの話にからめてみます。胸の第2肋間 と同じ高さに「紫宮(しきゅう)」というツボがあります。 「紫宮」は天帝、天子、あるいは神仙の住まいのこと・ 星座名で、心臓の位置にあるので名付けられました。 手の平には「労宮(ろうきゅう)」というツボがあります。 疲労した時に、心および心包の病変の現れるところの 意味です。心や体が疲れたら、両手の平を 10 回くら いこすった後、胸に右手を当てて腹式呼吸を繰り返し てください。手の当て方は演技を終えたあとの羽生結 弦さんのようにです。「紫宮」と「労宮」が重なって、 疲労した「宮を(お互いに)守る」ことができます。 そしてさらに左手を右手に重ねます。肌をゆっくり秒 速 5cm くらいでさすると、愛情ホルモンと呼ばれる オキシトシンがでるそうですが、胸の辺りに空気が流 れているのを意識すると、まるで内側からマッサージ されているような感じがします。
不安で胸が押しつぶされそうな時、胸に手を当て呼 吸して「宮を守り」、定期的にメンテナンスしてみてく ださい。宮が丈夫になっていい意味で「毛が生えてい る心臓」になっていきます。そして耳には「聴宮(ちょ うきゅう)」というツボがあり、手のひらにある「労宮」 を重ねることで「宮」を守ることができます。このお 話はよかったら相談の時にしますね。
「守宮」はやもりと読みます。家守とも書く、両生類 のイモリと似た爬虫類のヤモリのことです。9月初旬 にヤモリを見かけ、今回のタイトルにしました。