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谷津吉美

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谷津吉美(やつよしみ) / 薬剤師

有限会社むつごろう薬局

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コラム

押してダメなら、引いてみる

2017年6月23日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:秘伝のツボ (東洋の知恵)

コラムカテゴリ:医療・病院



 私は昨年の夏から右手のあれがひどくなり、特に薬指を中心に荒れています。肌荒れを目的に飲んでいるのではないのですが漢方を飲んでいてもよくならず、肌荒れの相談の時に隠したいほどです。右利きで生薬をよく触ることも原因だと思いますが、冬にはよくなるので、水道水の塩素が主な原因なのではと思っていました。しかし塩素を除くシャワーヘッドをしても、シャワーのお湯に浴びると悪化します。新聞を書くにあたりいろいろ考えていて、薬指の小指側の爪の際にある「関衝(かんしょう)」というツボから手の少陽三焦経始まるので、私の右腕にあるへこみが原因なのではないだろうかと思うようになりました。小さい頃に注射のあとよく揉まなかったせいなのか、右腕の三角筋の下が触るとすぐ骨というくらいへこんでいます。ツボがないところなのですが、手の少陽三焦経の「臑会(じゅえ)」というところの下くらいからです。一番へこんでいるところに円皮鍼を貼ってみました。円皮鍼は、丸い小さな絆創膏の真ん中から小さな鍼が出ているものです。夜に貼ったところ、次の日のお昼ころには少しふっくらとしていましたが、手荒れには残念ながらすぐには変化が見られませんでした。温まるとよくないので、冷感の手袋を探し買ってみました。期待通りかゆみが楽になります。しばらく手袋をつけて仕事をすることをお許しください。
 「臑会」の作用は清欝熱、通経絡、利関節で、一般的には肩や腕の痛みに使います。肩の腫れや首のこぶといったリンパ節の腫れ、甲状腺腫にも効果があるようです。私の場合も「臑会」貼れば効果があったかもしれないです。ツボは一般的には押すことが多いのですが、引っ張るというのもいいです。三角筋は硬くなっている方が多いので、手の平全体でつかんでじっとしていると緩んできます。そのあと、「臑会」を押すとよいでしょう。寝たきりなどでだんだん筋肉がなくなってきた場合なども経絡にそって皮膚をつまんでいくと、少しふっくらとして経絡の流れがよくなります。

「臑会」腕を水平に持ち上げ、肩関節の前後に現れる凹みのうち、後ろの凹みから肘頭に向かって指4本のところ。

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