中国医学には欠かせない三大古典のお話
東洋医学の発祥の地、中国には大きな河が二本走っています。皆さんご存知の通り、黄河と揚子江です。この河を界に「黄河文化圏」「揚子江文化圏」「江南文化圏」と三つの文化圏に分けられます。砂漠地帯の黄河文化圏では、病気を治す薬草が無いため肌肉を刺激して病気を治す鍼灸が発達しました。黄河と揚子江に挟まれた肥よくの大地「揚子江文化圏」では、豊富な薬草のもと、人々は不老長寿を求めました。
そして、一番南の地域「江南文化圏」では、チフスやマラリアといった急性熱性病に苦しめられ、ここで出来上がった「人を助けるための医学」は、現代の日本の漢方薬の基本となっています。その代表的医学書「傷寒論(しょうかんろん)」は日本漢方のバイブルとなっています。皆様が風邪に使う「葛根湯」もこの本から始まりました。