コラム
気候の変化が病をもたらす六淫のお話
2019年3月18日 公開 / 2021年3月1日更新
病気になる原因は様々であり、そこには外的なきっかけも自分の身体に内在するものもあるでしょう。
そのうち、漢方では季節の変化など私たちの身体に悪影響を及ぼす外的要因を6つに分類して六淫(りくいん)と呼んでいます。
六淫には、具体的に次のようなものがあります。
・風邪
春に多く、時間的または症状の発現部位に変化を伴いやすく、進行も早いのが特徴です。
・暑邪
夏に多く、水分バランスが崩れてしまっている状態です。だるさや渇きがみられ、熱中症や夏バテなどが代表的な例です。
・湿邪
梅雨時期に多く、むくみやだるさが長く続きます。また、関節の痛みや胃腸にも影響を与えます。
・燥邪
秋冬の乾燥時期に多く、皮膚や髪のかさつきがみられます。咳も伴い、喘息症状も現れます。
・寒邪
冬に多くみられ、身体を冷やします。そのため、代謝や各臓器の機能低下を引き起こします。
・火邪
発汗や高熱、頭痛のほか、イライラ感などの精神的症状もみられるようになります。場合によっては、鼻血や血尿のような出血も起こります。
気候の変化は花や木、自然の風景を様変わりさせてくれることで私たちの目を楽しませてくれますが、激しい気候の変化は不調をきたすきっかけとなってしまいます。
もちろん、健康で異常がなければ、外的要因の影響は受けずに日常生活を送ることができます。しかし、ひとたび気や血、水のめぐりが停滞したり、抵抗力が衰えている場合には、その隙を縫って六淫が侵入してくるのです。
そのため、外から入り込ませないように、規則正しい生活や食、そして健康な精神を保つことが最も基本的な予防策になってきます。
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