【引き算コーチング】経営者の頭の中から「気がかり」を引き算する
こんにちは、
サポートコーチ出雲の山根浩二です
経営者の方とお話をしていると、
・「もっと売上を上げたい。」
・「新しいお客様を増やしたい。」
・「今のやり方を変えないといけない。」
そんな話をよく聞きます。
もちろん、ご本人も本気です。
だから、いろいろ考えている。
・ホームページを作ったほうがいい。
・SNSをやったほうがいい。
・営業にも行ったほうがいい。
・値上げもしないといけない。
・人にも任せないといけない。
やらなければいけないことは、
たくさん見えているんです。
でも、半年たっても、あまり変わらない。
またお会いすると、
「やろうとは思っているんですけどね。」
とおっしゃる。
そして、そのあとに、
・「でも、今は忙しくて。」
・「お客様の対応があるので。」
・「もう少し準備してから。」
・「うちの場合は、ちょっと難しくて。」
そんな話が続きます。
私は、こういうときに、
「この人は行動力がないんだ。」
とは、あまり思わないんです。
むしろ、
「もしかすると、変わらないことにも
理由があるんじゃないかな。」
と考えます。
たとえば、
売上を上げたいと言いながら、
新規営業をしない。
それにも、理由がある。
・断られるのが怖い。
・今のお客様との関係を大切にしたい。
・営業することで嫌われたくない。
・忙しくなって、今のお客様に迷惑をかけたくない。
そう考えているのかもしれません。
すると、
「売上を上げたい」
という気持ちと、
「今の状態を守りたい」
という気持ちが、
同時に存在することになります。
どちらも本人の本心なんですよね。
だから、なかなか動けない。
これは、値上げでも同じです。
「利益をもっと残したい。」
「このままでは大変だ。」
そう思っている。
でも、
「値上げしたらお客様が離れるかもしれない。」
「高いと思われたら嫌だ。」
「今までの価格で喜んでもらってきたから、
申し訳ない。」
そんな気持ちもある。
そうすると、頭では、
「値上げしなきゃ。」
と思っていても、現実には値上げしない。
そして、利益が残らない。
また、
「何とかしなきゃ。」
となる。
でも、ここで「値上げしましょう」
と言うだけでは、なかなか動けないんです。
なぜなら、その人にとっては、
「値上げしないこと」
にもメリットがあるからです。
・お客様との関係が変わらない。
・嫌われる心配がない。
・説明する必要もない。
・今まで通りでいられる。
安心なんですよね。
もちろん、長い目で見れば問題が
あるかもしれません。
でも、今この瞬間の自分にとっては、
安心できる選択になっている。
だから、変わらない。
ここを私は、コーチングでは
大切にしています。
「なぜ、やらないんですか?」
と責めるのではなく、
「やらないことで、何が守られていますか?」
と考えてみる。
「今のやり方を変えないことで、
どんなメリットがありますか?」
「もし変えたら、何が怖いですか?」
「逆に、変えないことで
失っているものは何でしょう?」
そんな問いを一緒に見ていきます。
すると、
「そうか。
私は売上を上げたいと言いながら、
お客様との関係が変わるのが怖かったんですね。」
そんなことに気づくことがあります。
これ、結構大きいんです。
なぜなら、今までは、
「自分は行動できない。」
「自分には営業ができない。」
と思っていたものが、
「自分は、お客様との関係を守りたかったんだ。」
に変わるからです。
そうすると、次の問いが変わります。
「じゃあ、お客様との関係を守りながら、
売上を上げる方法はないだろうか?」
ここから、別の方法が見えてくるかもしれません。
・営業のやり方を変える。
・既存のお客様への提案を変える。
・価格ではなく価値の伝え方を変える。
・仕事を増やすのではなく、利益率を見直す。
いろいろな選択肢が出てきます。
私は、ここに「引き算」の意味があると思っています。
最初から、
・「もっと訪問件数を増やしましょう。」
・「もっと営業トークを磨きましょう。」
・「もっと営業に集中出来るようにしましょう。」
と足していくのではない。
まず、
「なぜ今の状態を変えたくないのか。」
そこを見てみる。
変わらないことによって得ている安心や安全。
変わることによって感じている不安や負担。
そこに気づいてみる。
すると、今まで自分でも気づいていなかった
「変わらない理由」が見えてくる。
そして、その理由が分かれば、
「それでも変えたいのか。」
「やっぱり今は変えなくていいのか。」
自分で選べるようになります。
私は、ここが大事だと思うんです。
経営には、
「売上を上げなければいけない。」
「新しいことをしなければいけない。」
「変わらなければいけない。」
という言葉が、たくさんあります。
でも、変わることがいつも正解とは限りません。
変わらないことを選ぶのも、一つの経営判断です。
ただ、その選択を自分で分かっているかどうか。
そこは、大きく違うと思います。
「変わりたいのに変われない。」
と悩み続けるのではなく、
「私は、何を守るために
変わらないことを選んでいるんだろう。」
と考えてみる。
そして、
「それを守りながら、別の方法はないだろうか。」
と考えてみる。
そうすると、今まで「変わるか、変わらないか」の
二択だったものが、少し違って見えてくるんです。
私は、経営を変えるためには、
必ずしも新しいことを増やす必要はないと
思っています。
まず、自分が何を守っているのか。
何を怖がっているのか。
何を手放したくないのか。
そこを知る。
そのうえで、必要のないものを一つ引き算してみる。
すると、今まで動かなかった経営が、
少しだけ動き始めることがある。
変わるために、何かを足す。
その前に、
「なぜ私は、変わらないことを選んでいるんだろう。」
一度、そこを見てみる。
そこに、次の一手が隠れているのかもしれません。


