【引き算コーチング】その鎧が、仕事の邪魔をしているかもしれない

山根浩二

山根浩二

テーマ:引き算コーチング

こんにちは、
サポートコーチ出雲の山根浩二です


前回、「その鎧、本当に今も必要ですか?」
というコラムを書きました。


人は、自分を守るために、
いつの間にか「鎧」を身につけていることがある。
そんな話です。


今回は、もう少し現実的な話にしてみたいと
思います。
というのも、鎧って、
仕事の中にも出てくるんですよね。


たとえば、経営者の方と話をしていると、
・「お客様には絶対に弱みを見せられない。」
・「値上げの話なんて、
  こちらからしたら嫌われるかもしれない。」
・「人に仕事を任せられない。」
・「失敗したら、経営者としてダメだと思われる。」
そんな言葉が出てくることがあります。


これって、
一見すると経営者としての責任感にも見えます。


実際、責任感は必要です。
お客様との約束を守ることも大切ですし、
簡単に人に任せられない
仕事があるのも分かります。


だから、
「それは間違っていますよ。」
とは、私は思いません。


むしろ、そうしてきたからこそ、
今まで事業を続けてこられたのかもしれない。


ここが、ちょっと難しいところなんです。
その考え方が、昔は自分を守ってくれた。


だから、今も同じように使っている。
でも、その鎧が、
今の自分の仕事には
少し重くなっていることがあるんです。


たとえば、
「自分が全部やらなければいけない」という鎧。


創業したばかりの頃は、
それでよかったのかもしれません。
・お客様への対応も、自分。
・仕入れも、自分。
・営業も、自分。
・経理も、自分。
・何でも自分でやる。
そうしないと、事業が回らなかった。


だから、
「自分でやるのが一番確実だ。」
という考え方が身につく。


ところが、事業が大きくなってくると、
同じやり方では時間が足りなくなります。


人を雇っても任せられない。
誰かに頼めばいい仕事まで、
自分で抱えてしまう。


そして、
・「忙しい。」
・「時間がない。」
・「もっと人が欲しい。」
となる。


でも、もしかすると問題は
「仕事が多すぎる」
だけではないのかもしれません。


「自分がやらなければならない。」
という鎧を着ていることで、
自分から
仕事を
手放せなくなっているのかもしれないんです。


もう一つ、値上げの話もそうです。
「値上げしたら、お客様が離れる。」
これは、よく聞く言葉です。


でも、本当にそうなると
決まっているわけではありません。
まだ値上げしていないのなら、
それは現実ではなく、
未来に対する予測ですよね?


それでも、
・「怖い。」
・「嫌われたくない。」
・「高いと思われたくない。」
という気持ちから、
今の価格を守り続ける。


これも、もしかすると
「嫌われないための鎧」なのかもしれません。


もちろん、その鎧のおかげで、
お客様との関係を大切にできた時期も
あったでしょう。


でも、今の経営にとって、それが必要なのか。
ここを一度考えてみる必要があります。


私は、コーチングでこういう話をするとき、
「その鎧を脱ぎましょう。」
とは言わないんです。


だって、
脱いでしまって本当に大丈夫かどうかは、
私には分からないからです。


それは、その人自身が考えることです。
私がやるのは、
「それって、いつからあると思いますか?」
「どんな肯定的な意味があるでしょうか?」
と聞いてみること。


「もし、その鎧を着なくてもいいとしたら、
 何ができますか?」
「逆に、それを手放したら、何が困りますか?」
「今まで自分を守ってくれたものが、
 今は自分の動きを止めていないですか?」
そんなふうに、一緒に見ていく。


すると、


「あれ……もしかしたら、
 ここまで自分がやらなくても
 いいのかもしれない。」
とか、


「値上げしたら嫌われると思っていたけど、
ちゃんと説明してみたら
分かってもらえるかもしれない。」
とか、


「人に任せることと、
 責任を放棄することは違うんだな。」
とか、


「守るための鎧だと思ってたけど
 実際は守れてないかもしれない」


そんな気づきが出てくることがあります。
ここが、私は大事だと思っています。


 問題を解決するために、
必ずしも新しい方法を
追加する必要はないんです。


今までのやり方を、もっと頑張る必要もない。


もしかすると、
今の自分を動きにくくしているものを、
一つ引き算するだけでいいのかもしれません。


・「もっと営業しなければ。」
・「もっと勉強しなければ。」
・「もっと頑張らなければ。」
と考える前に、


「何をやめたら、今より動きやすくなるだろう。」
と考えてみる。


これは、私が考えている
「引き算コーチング」の考え方にも
つながっています。


鎧は、敵から身を守るためのものです。


でも、敵がいないところでも、
ずっと鎧を着ていたらどうでしょう。


または、走る必要があるときに走れない。
方向を変えたいのに、すぐには動けない。


本当はもっと軽やかに動けるのに、
重さを抱えたまま仕事をしている。


そんなことが、
現実の経営でも
起きているのかもしれません。


だから私は、
「あなたの鎧は何を守ろうとしているのですか?」
という問いは、単なる心の話ではなく、
かなり現実的な経営の話にもなると
思っています。


・任せられない。
・値上げできない。
・断れない。
・営業できない。
・新しいことを始められない。


こうした「できない」の後ろに、
「そうしないと、自分が傷つく。」
という何かが隠れていることがあります。


それに気づいたとき、初めて、
「じゃあ、これからはどうする?」
と考えられるようになる。


鎧を脱ぐことが答えではありません。
必要なら、これからも着ていればいい。


ただ、
「自分は今、鎧を着ているんだ。」
と分かっているだけで、
少し違ってくるんじゃないでしょうか。


そして、もしかしたら、
「この部分の鎧だけは、
もう外してもいいかもしれない。」


そんなところが見つかるかもしれません。


一枚引き算する。


それだけで、仕事の動き方が少し変わる。


私は、そんな小さな変化の中に、
経営を変えていくきっかけが
あるんじゃないかなと思っています。

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山根浩二(ビジネスコーチ)

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