なぜビジネスに引き算コーチングが有効なのか?
こんにちは、サポートコーチ出雲の山根浩二です。
コーチングをしていると、
クライアントが自分のことをたくさん話す時間があります。
今までやってきたこと。
今、困っていること。
これからやりたいこと。
そして、「本当はこうしたいんだけど……」というようなこと。
そうやって話をしているうちに、
本人の中からふっと言葉が出てくることがあります。
「あれ、もしかしたら……」
「そういうことだったのか」
「あ、自分はそう思っていたんですね」
いわゆる「気づき」です。
私は、この「気づく」ということについて、
ちょっと考えることがあります。
気づくって、実は少し痛いことなんじゃないかな、と。
今まで自分では当たり前だと思っていたことが、
「もしかしたら、違うのかもしれない」
と分かってしまう。
今まで「仕方がない」と思っていたことに、
「本当に仕方がなかったんだろうか」
という疑問が生まれる。
今まで「自分にはできない」と思っていたことに、
「……本当にできないんだろうか」
という疑問が生まれる。
これは、場合によっては、ちょっと苦しいですよね。
今まで信じていた自分の考え方が、少し揺らぐわけですから。
私は、これをイメージすると「殻」に近いのかなと思っています。
自分の周りを、いろいろな思い込みや経験、常識、成功体験などが覆っている。
その殻があることで、自分を守っている部分もある。
だから、その殻そのものが悪いわけではありません。
でも、殻に覆われていることで、
本当は自分の中にあるものが見えなくなっていることもある。
そして、コーチとの対話の中で、その殻に少し傷がつく。
「あれ?」
と、小さなひびが入る。
そこから、今まで見えていなかったものが少し見えてくる。
私は、気づきって、そういうものなのかもしれないと思っています。
だから、「気づきがあったから、すぐ前向きになれます」
という単純な話でもないんですよね。
むしろ最初は、
「え……自分って、そうだったの?」
と、ちょっと嫌な気持ちになることもある。
でも、その傷から見えてくるものがある。
そして、今まで「できない」と思っていたことについても、
同じことが起こります。
「自分にはできない」
と思っていると、当然、やりません。
やらないから、できない。
でも、その「できない」の前に、
そもそも、なぜできないと思っているんでしょう?」
という問いが入ったらどうでしょうか?
「やったことがないから」
「自分には向いていないと思うから」
「失敗するのが怖いから」
「自分にはそんな能力がないと思うから」
……でも、それって、本当に「できない」という事実なんでしょうか。
もしかすると、まだやっていないだけなのかもしれません。
もちろん、本当にできないこともあります。
だから、私は「あなたなら何でもできます」と言いたいわけではありません。
そういう話ではなくて、
「できない」と「まだやっていない」は、同じではないですよね
ということです。
コーチングの中で気づきが生まれると、
その違いが見えてくることがあります。
すると、「できない」という思い込みが少しずつ削がれていく。
全部なくなる必要もない。
「もしかしたら、やってみてもいいかもしれない」
それくらいでもいい。
今まで「できない」と思っていたものに、
初めて「やってみる」という選択肢が生まれる。
私は、ここにコーチングの大きな意味があると思っています。
何か新しい能力をコーチが与えるわけではありません。
できなかったものを、魔法のようにできるようにするわけでもない。
ただ、自分自身を覆っていた「できない」という思い込みに、
少し傷をつけてみる。
そこから、
「もしかしたら、できるかもしれない」
という可能性が見えてくる。
その可能性が見えれば、
今度は「やってみる」という選択ができる。
そして、その先で初めて、本当にできるのか、できないのかが分かる。
私は、気づきというのは、
そういう意味で少し痛みを伴うものなのかもしれないと思っています。
でも、その小さな痛みの先に、今まで見えなかった自分が見えてくる。
「できない自分」を変えるのではなく、
「できないと思い込んでいた自分」に気づく。
そこから、できる可能性が始まる。
引き算コーチングでは、何かを足して
「できる人」にするというよりも、まず自分の中にある
「できない」という思い込みを少しずつ削いでいく。
そうすると、その下にあった「やってみてもいい自分」が見えてくる。
私は、そんな変化を一緒につくっていくことも、
コーチングの役割なんじゃないかなと思っています。


