呼吸をゆっくりする事で自己コントロールの向上やストレス緩和に役立ちます
私たちの人生における「依存」は、生まれた瞬間から始まります。
赤ちゃんの頃、私たちは母親のぬくもりや愛情に包まれながら、完全に守られた世界で育ちます。この「依存」は自然なものであり、安心感の土台となる大切なものです。
そして成長とともに、少しずつ他者とかかわりながら、自分自身で考え、感じ、選ぶ「自立」の道を歩んでいきます。しかし、大人になっても安心感の土台ができずに、心のどこかに強い依存心をかかえたままの人も少なくありません。
例えば、断乳して指しゃぶりをする子供のように、大人も心の隙間を埋めるために、無意識に何かに依存してしまうことがあります。
大人の依存にはどんな種類があるのでしょうか?
以下のような依存は、誰にでも起こりうる身近な問題です。
1.薬物依存(アルコール・薬物・タバコなど)
お酒や薬物は一時的にストレスや不安を和らげてくれますが、繰り返し頼るようになると、やがて自己コントロールが難しくなり、「依存症」へと進行するリスクが高まります。
2.行動依存(ギャンブル・買い物・仕事・スマホなど)
「刺激」や「快感」を求める行動がやめられなくなるのが特徴です。ギャンブルや買い物の依存症は経済的な問題を引き起こし、仕事中毒(ワーカーホリック)は家庭や人間関係に影響を及ぼすこともあります。
3.共依存(親子・夫婦・恋人などの人間関係)
「この人には私が必要なんだ」と思い込むことで、自分の価値を感じようとする状態です。親子や夫婦、恋人の中で、相手に過剰に尽くしすぎて、自分を見失ってしまうケースも少なくありません。
依存症とDV(家庭内暴力)の関係
共依存は、DV(家庭内暴力)の背景にも関係しています。例えば、アルコール依存のパートナーが暴力をふるいながらも、相手を失うことを恐れて手放せないという心理が働く事があります。
一方で、被害者側も「この人を支えなければ」「私が居なければこの人はダメ」と思い込んでしまい、関係を断ち切れなくなってしまうことも。こうした共依存の関係は、心身ともに大きなダメージをもたらすため、早めの気づきと対応が大切です。
依存症から抜け出すために必要なこと
依存症は「意志が弱いから」起きるのではなく、脳の働きや心理的な状態が関係しています。だからこそ、適切な治療やサポートが必要です。
まずは「自分が依存症状態にあるかもしれない」と気づくことが、回復への第一歩です。特に共依存の場合は、本人だけでなく、相手も一緒にサポートを受けることが効果的です。
あなたの人生をより豊かにするために
あなた自身、または身近な人が「もしかして依存かも?」と感じているなら、ひとりで悩まず、ぜひ一度専門家に相談してみてください。依存症や共依存から回復することは、決して夢ではありません。
心の依存から少しずつ解き放たれて「自分らしく生きる」日々を取り戻していきましょう。あなたの人生がもっと健やで、豊かなものになりますように。