「キレやすい高齢者」と言われないために、脳の活性化を心がけましょう
今日は最近増えている「高齢者のアルコール依存症」のお話しと、それに伴い「老後の人生」について考えたいと思います。
認知症とアルコールの関係
近年、定年退職後にアルコール依存症になる割合が増えています。大量のアルコールは認知症の発症率も髙くなり、認知症で施設に入所している高齢者の29%が、大量飲酒が原因の認知症と考えられるという調査結果も出ています。過去5年以上の大量飲酒の経験がある高齢者では、大量飲酒の経験のない男性と比べて、認知症の危険性は4,6倍と報告されています。大量飲酒が認知症のリスクを高めるということが分かりました。
大量飲酒のきっかけは様々ですが、一般的に退職や配偶者との別離が多いと言われます。
現役時代「退職したらのんびりしよう」と思いながら仕事を続けていた方も、いざ仕事をやめて時間が出来ると、ゴルフや旅行などにもすぐに飽きてしまいます。仕事一筋で生活していたために仕事以外の友人も少なく、孤独を感じやすくなります。現役時代は「明日の仕事があるから」とアルコールを控えることもありましたが、退職後は制限する必要もなくなり、多量に飲みすぎてしまいます。
新たな目標
老後の人生をより豊かなものにするためには、今まで生きてきた自分に誇りをもって、満たされた思いを抱けることが理想だと思います。仕事が終わって何もすることがないとは考えず、退職後、人生を張りのあるものにするために工夫して「自分に出来るもの探し」『新しい目標』を持つことも大切です。
年を取ると衰えるばかりだと思ってはいませんか?
実は、蓄積された知識や経験から得られる『結晶性知能』というものがあります。それは意欲次第でずっと成長し続ける知能です。柔軟な考えで新たな事を学んだり、サークルに入ったり、仕事をしたり、地域のボランティアに参加したり、新しい自分の居場所探しをしてみませんか?「もう○○才だから」などと思うのではなく、「出来た時間を何に使おうか?」と考えれば、新たな自分を発見することを楽しむこともできると思います。
仕事をバリバリしていた方なら、出来る事はたくさんあるはずです。失ったものばかりを考えるのではなく、出来た時間や新たな出会いなど、いろんなものに興味を持つことで様々な楽しみや発見を探すことも出来るはずです。
今まで頑張って来たからこそ、出来ることを楽しみましょう
これからの人生も、自分の気持ち次第で変えられると思います。新たな人間関係、新しい自分発見をして、「できないこと」を考えるより、「できること」を想像しましょう。思い込みで決めつけずにチャレンジしてみると、新たな「できる自分」に出会えると思います。
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